県内全域の飲食店に対する営業時間の短縮要請が13日に終了してから2週間余りが経過し、金沢市片町の午後10時の人出が4月の時短要請直前の水準に戻ったことが29日、県への取材で分かった。新型コロナウイルスの感染拡大前との比較では5割ほど減少している。時短要請前より感染が落ち着いた状況でも、さらなる人出の増加傾向は見えておらず、県民が依然、警戒を続けていることがうかがえる。

 県はNTTドコモからデータの提供を受け、片町の午後10時の人出を把握している。

 金沢市は5月16日~6月13日に適用されていた「まん延防止等重点措置」の期間中、飲食店に対し、午後8時までの時短営業と酒類の終日提供自粛を求めていた。13日までの1週間の人出は、2020年1~2月の感染拡大前と比較し、おおむね7~8割減だった。

 これに対し、重点措置が解除された14~20日の1週間は約5割減となり、解除後に人出が倍増した計算となる。21~27日の1週間は前週と比較して人出に大差はなく、ここ2週間は、4月28日に時短要請が始まる直前の同21~27日と同水準の人出だった。

 一方、金沢市内のコロナの感染者数は6月28日までの1週間は計8人で、4月21~27日の89人を大きく下回っている。県の担当者は感染が落ち着く中で、人出が大きく増えていないことに関し、「県民は慎重に行動しているのではないか」と推測する。

 ただ、7月からは飲食店の需要喚起策「Go To イート」や県民旅行割が始まり、県内での往来が活発になる可能性がある。県の担当者は「コロナ以前の日常に戻ったわけではない。外での飲食の際は十分な感染対策を講じてほしい」と呼び掛けた。

  知事「隔世の感」

 29日、県町長会の会合に出席した谷本正憲知事は、金沢の人出について「まん延防止解除後に増えたと言っても、コロナ前から比較すればお話にならない。隔世の感がある」と述べた。

 東京の感染者に関して「500人前後で推移している。感染拡大の兆候か分からないが、大変心配している」と懸念を示し、県内外の人に向けて県境をまたいだ往来を控えるよう求めた。

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