幼児を診察する小児科医=金沢市内の医院

  せき、発熱 コロナ疑い来院多く

 肺炎などを引き起こす「RSウイルス感染症」の石川県内の患者数が、昨年の15倍に急増している。通常は秋冬に流行するが、今年は4月初旬から患者が増え始め、20日までに過去最多の1520人の感染例が確認された。新型コロナ対策が徹底された昨年の患者数は109人にとどまった一方で、マスク着用が難しい乳幼児に感染が広がっているとみられ、県が注意を呼び掛けている。

 県感染症情報センターによると、県内の定点医療機関29カ所で確認された患者数は、これまでは17年の1512人が調査を始めた2003年以降で最多だった。

 今年は全国的に流行の時期が早まり、感染が拡大している。県内では4月から増え始め、1週間当たりの患者報告数は22週(5月31日~今月6日)で最多の244人を記録。直近の24週(今月14日~同20日)も204人と高止まりしている。

  昨年は患者少なく

 RSウイルスは近年、秋から冬にかけて流行する。ただ、コロナ禍となった昨年は対策が徹底されたため、インフルエンザなどと同様に患者の報告例は例年より少なかった。

 一方で、今年は保育園や幼稚園を中心に感染が急増しており、同センターの担当者は「この1年で免疫を持たない子どもが増え、患者の増大につながったのではないか」とみる。

 金沢市片町2丁目の松田小児科医院でも、4月以降、乳幼児の来院が急増した。親子で感染しているケースもあり、武田万里子医師(45)は「乳幼児はマスクの着用や、他人との接触回避が難しく、流行につながっている」と指摘する。

 せきや発熱の症状が出るため、新型コロナを疑って来院するケースも多いという。武田医師は「手洗いやうがいを基本に、睡眠と栄養のある食事で免疫力を落とさないことが重要だ」と呼び掛けた。

 ★RSウイルス感染症 風邪のウイルスの一種で、2歳児までにほぼ全員が感染する。せきやくしゃみで飛び散る飛沫感染、おもちゃを介した接触感染で広がる。健康な子どもや成人は軽い風邪のような症状で済むケースが多いが、重症化すると肺炎や気管支炎を引き起こす場合がある。

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