改修される武蔵住吉神社=金沢エムザ

改修される武蔵稲荷神社=金沢エムザ

  商売繁盛祈願

 金沢エムザ(金沢市)の3階にある武蔵住吉神社と、9階の武蔵稲荷神社が改修されることが21日、分かった。親会社が4月、ディスカウントスーパー運営の「ヒーロー」(茨城県牛久市)に替わり、新体制の経営陣が決めた。40年以上前に社殿が移設された両神社は商売繁盛の神様が祭られており、経営立て直しを神社から始める。

 金沢エムザを運営する金沢丸越百貨店の担当者は「社殿の改装は、本腰を入れて経営を立て直す覚悟の表れだ」と説明した。

 旧金沢名鉄丸越百貨店は2017年2月期から4期連続で赤字だった。関係者は社殿改修の必要性を認識していたが、費用がかさむことやコロナ禍などを理由に見送ってきた。

 親会社が名古屋鉄道(名古屋市)からヒーローに替わった。金沢丸越百貨店の熱田隆明社長は3年をめどに黒字化を目指す方針を示している。

 出社の度に参拝してきた経営幹部は「改装を何度もお願いしてきたが、名鉄は動いてくれなかった。新しい経営陣はいい決断をしてくれた」と笑顔を見せた。

  商店街も歓迎

 改修を喜んでいるのは金沢エムザ関係者だけではない。両神社は毎年春と秋に祭礼があり、地域住民やエムザ関係者の交流の場となっていた。ビアガーデンを運営し、にぎわっていた時代もあった。

 武蔵商店街振興組合の中島祥博理事長は、「再び地域の人が集まってイベントをするような場所になってほしい」と期待した。

 武蔵稲荷神社は1973(昭和48)年、金沢スカイビルの開業に合わせて、旧店舗の屋上から9階に移設された。金沢エムザの場所にあった青果卸売市場「住吉市場」に由来する武蔵住吉神社は75(同50)年に移設された。

 両神社の鳥居や社殿は雨風で劣化し、柱の一部が欠損したり、土台が傾いたりしている。

 改修では社殿や鳥居のほか、社殿に向かうらせん階段や、社を囲う樹木も手入れする。仮社殿に神霊を移す「仮遷座」を7月に行い、神霊を社殿に戻す「本遷座」は9、10月を予定する。

 ★武蔵住吉神社 金沢市武蔵町に青果卸売市場「住吉市場」が開場した1879(明治12)年、商売繁盛と家内安全を願って創建された。厄よけ、海上安全、農耕・産業守護の御利益がある。

 ★武蔵稲荷神社 林屋亀次郎氏が金沢丸越百貨店の前身となる丸越百貨店を創業した1935(昭和10)年、旧店舗の屋上で創建した。京都の伏見稲荷神社から商売繁盛の分霊を受けたほか、経済の神や防火の神、神通力にあやかる神仏を取り混ぜた神様を祭る。

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