作間議長の不信任動議の採決で起立する町議=中能登町議会(同議会事務局提供)

議場を立ち去る作間議長

 18日の中能登町議会6月定例会最終日で、「議長を1年で辞める約束を守らなかった」として、作間七郎議長(78)の退任を求める不信任動議が提出され、賛成多数で可決された。同町で議長の不信任可決は初めて。動議に法的拘束力はなく、作間氏は続投の意思を示した。3月の町議補選で新たに4人が加わって初めての議会で、混乱が生じ、町民からは冷ややかな声が漏れた。

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  作間氏「約束ない、最後までやる」

 石川県によると、議長の不信任案が可決されたのは2006年の輪島市議会、11年の羽咋市議会に続いて県内3例目となる。

 動議を提出した甲部昭夫氏(79)は「断腸の思いで提出する。約束を守れない人に議長を任せられない」と述べた。甲部氏によると、昨年6月の議長人事で作間氏と現在副議長を務める諏訪良一氏(83)が推された際、作間氏が「1年で(諏訪氏と)交代する」と約束した上で就任した。一方、作間氏は「約束はしていない」と主張している。

 採決は退席を求められた作間氏と、作間氏に代わって議事を進行した諏訪氏を除く10人で行われ、古玉いづみ、澤良一両氏以外の8氏が賛成した。両氏は作間氏と距離が近いとされ「約束の根拠が乏しい」と反対討論した。

  「面目つぶれた」

 作間氏は同議会で最多となる11回当選のベテラン議員で、旧鹿島町議時代を含めて3度の議長経験がある。採決後、取材に応じた作間氏は、当初は適切な時期で辞任する予定だったとした上で「動議が出されて面目がつぶれた。最後までやる」と述べ、来年6月に控える町議選まで議長を続ける意向を示した。

 一方の諏訪氏は議長経験はなく、今任期で引退するとの見方が強い。不信任動議に賛成した町議の一人は「最後に議長になってほしい」と話した。甲部氏は次回9月定例会で同様に動議を提出するかどうかについて「賛同者と検討する」と明言を避けた。

 宮下為幸町長は「議会で話し合って良い方向に行ってほしい」と求めた。傍聴席の60代男性は「『言った、言わない』の茶番。大事な議会の時間を使ってやることではない」と苦言を呈した。

  1時間半の中断

 町の議会規則では、「動議を議題とする際には1人以上の賛同者を必要とする」と定められている。甲部氏が動議を読み上げる際に賛同者の存在を明らかにしなかったとして、作間議長が「この動議は認められない」と一時中断する場面があった。

 その後、全議員が別室で議事をどう進行するかでもめた。最終的に動議の成立要件を満たしているとして意見がまとまり、約1時間半後に再開した。

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