トーチキスに臨む思いを語った渡邉さん=南砺市野田

 東京五輪の聖火リレーの代替行事となる「点火セレモニー」は2日、富山県内で2日間の日程で始まり、走らずに聖火を受け渡す「トーチキス」が繰り広げられる。県内のランナーは公道でのリレー中止を残念がりながらも、それぞれの思いを胸に「希望の火」の到着を待つ。

 南砺市内で聖火ランナーを務める予定だった同市野田、渡邉駿聖(しゅんせい)さん(16)=となみ野高2年=は、4歳で祖父の伊東外博さん(71)から腎臓移植を受け、現在も通院と投薬を続けている。2日に高岡市でトーチキスに参加する予定で「祖父の思いとともに臨みたい」と意気込んでいる。

 日本生命の聖火ランナー募集に応募し、入院中だった2019年12月、選ばれたとの知らせが届いた。祖父・伊東さんは15歳で前回の東京五輪を迎えており、渡邉さんは20年に同じ15歳で東京五輪の聖火ランナーを務め、祖父や家族、医療関係者、先生や友人に感謝を伝えたいと願っていた。

 コロナ禍(か)で東京五輪が延期され、さらに聖火ランナーとして公道を走る夢も絶たれた。「多少は覚悟していたが、道路の真ん中で堂々と走り、南砺に聖火が来たことを伝える大役を果たしたかった」と残念そうな表情を浮かべる。

 東京五輪には、もともと家族ぐるみで思い入れがあった。建設中の国立競技場を2度にわたり見学に訪れ、父・俊彦さん(45)、弟・諒翼(りょうすけ)さん(13)も聖火ランナーに応募していた。

 渡邉さんは、となみ野高生徒会書記として10日の体育大会に向け、大会テーマを筆でしたためるなど準備に追われているが、トーチキスへの参加を決めた。

 「聖火を持つのは一瞬だが、国立競技場へ運ぶことに少しでも役立てることがうれしい。あきらめずに、コロナに感染しないよう気を付け続けていて良かった」と思いを語った。

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