石川県は16日、県内で新たに新型コロナウイルス感染者59人を確認し、高齢者福祉施設と飲食店でクラスター(感染者集団)が2件発生したと発表した。新規感染者は過去4番目に多く、10日連続で40人を超えた。5月の新規感染者は738人となり、4月の584人を上回り、月別で最多を更新した。

 新たに感染したのは、金沢、白山、小松、加賀、能美、野々市、七尾、かほく、津幡、内灘、中能登の11市町と県外在住の10歳未満~90歳以上の男女。

 居住地別では加賀22人で最も多く、金沢13人、小松9人、中能登4人、野々市3人、内灘2人、白山、能美、七尾、かほく、津幡と県外が各1人。

 新規感染者のうち、加賀市の70~80代の6人と、加賀、白山市の50~60代の3人は高齢者福祉施設の利用者と職員。県は福祉施設4例目のクラスターと認定した。県によると、利用者に症状が見られ、検査で陽性が確認されたため、他の職員や利用者を検査した。施設は定員20人で、利用者は日中、施設内で交流があった。マスク着用などの感染対策は取られていたが、施設を出入りした人から施設内に感染が広まったとみられる。利用者のうち中等症の1人は入院し、残る軽症や無症状の5人は施設内で療養している。県は16日、クラスター対策班を派遣し、ゾーニングなどの指導を進めている。

 さらに、加賀、小松市の10代~40代の男女5人は、接待を伴う飲食店の従業員。既に感染が判明している従業員や利用客ら5人を含め、感染者は10人となり、県は飲食店15例目のクラスターとの認識を示した。県によると、店内ではマスクの着用など感染対策は徹底されていなかったという。店は5月上旬に休業しており、県は今後、感染拡大のリスクは低いとみている。会食7例目の感染者2人が飲食店15例目にも重なっており、県は統計上、会食7例目の陽性2人を減らした。

 2件のクラスターは5月に入り9例目、10例目で、通算57、58例目となった。

 既に判明しているクラスター関連では、飲食店関係で2人、会食6例目で1人の感染を確認し、感染者はそれぞれ36人と18人となった。このほか、既に公表されている感染者の濃厚接触者または接触者で31人、残る11人の感染経路が分かっていない。

 16日現在、治療中の患者は646人(前日比17人増)、うち重症者は13人(同3人減)。感染者の療養別では、自宅療養が前日より12人多い96人で、入院は302人(前日比5人増)、ホテルでの宿泊療養が145人(同2人増)となった。高齢者施設などが12人(前日と変わらず)、入院か宿泊療養を予定している人は16日午前10時現在、96人(同12人増)だった。

 県内の死者は計96人、感染者累計は3233人となった。

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