アカイカ漁に向けて出港する中型イカ釣り船=13日午前9時、能登町小木港

 石川県漁協所属の中型イカ釣り船3隻は13日、北太平洋でのアカイカ漁に向けて能登町小木港を出港した。能登半島沖の好漁場「大和堆(やまとたい)」でスルメイカ不漁や外国船の違法操業が続く中、今季は新型コロナの影響でインドネシア人技能実習生が不足した状態での厳しい船出となった。家族や友人らに見送られた乗組員は「とにかくイカを取るしかない」と2年連続となる新たな漁場の開拓を誓った。

  大和堆不漁でアカイカに活路

 県漁協に所属する中型イカ釣り船11隻には現在、27人の実習生が所属している。ただ、今季は4月に新たに受け入れ予定だった12人が新型コロナ感染拡大による入国規制で来日できず、各船とも定員10人前後に対し1~2人を欠いた状態での出漁となった。

 小木港では午前9時に第58金剛丸、第31永宝丸、同9時半に第18旺貴(おうき)丸が出発した。乗組員の家族や住民らが船体と結び付けた紙テープを手に「頑張って」「行ってらっしゃい」と声を掛けた。大漁旗を掲げた船は汽笛を響かせ、スピーカーから大音量の演歌やJポップを流しながら港を後にした。

 第58金剛丸の船長で小木船団の山下浩弥船団長(61)は「実習生は確保できなかったが、イカの町の存続を懸け、大漁を目指したい」と意気込み、県漁協小木支所の山下久弥運営委員長(65)は「スルメイカの分まで挽回できるよう、2年目も期待したい」と話した。

 3隻は10日ほどかけて約3千~5千キロ離れた北太平洋の漁場に向かう。9月ごろまでアカイカ漁に従事した後、日本海でスルメイカ漁に取り組む。実習生が不足したままの出漁について県漁協の担当者は「乗組員が足りないと1人当たりの負担が増え、操業にも影響する。国には検査を徹底するなどして入国させてほしい」と求めた。

 県漁協所属の中型イカ釣り船11隻のうち、昨季は28年ぶりに4隻がアカイカ漁に進出し、計847トンを水揚げした。今季は実習生がそろわなかった1隻を除く3隻が青森県八戸市のイカ釣り船と船団を組む。

 日本海でスルメイカを追う8隻は6月上旬に出港する。県漁協小木支所の2020年度のスルメイカ水揚げ量は2232トンで、過去最低だった前年度の1568トンを上回ったが、過去10年で3番目に低く、依然として低水準が続いている。

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