烏山頭ダム着工100年の記念式典で、モニター越しに台湾から金沢に呼び掛ける蔡英文総統=北國新聞赤羽ホール

  八田技師の功績たたえ

 金沢出身の八田與一(よいち)技師(1886~1942年)が、台湾で建設に尽力した烏山頭(うさんとう)ダムの着工100年を記念する式典(北國新聞社特別協力)は8日、台南市の八田與一記念公園と金沢市の北國新聞赤羽ホールをオンラインで結んで開催され、出席者が八田技師の功績をたたえた。台湾の会場には蔡英文総統も出席し、金沢側に「友情を結ぶことができて良かった」と語り掛け、100年続く交流の継続を願った。

 【関連記事 烏山頭踊りで友好の輪】

 八田技師が手掛けた烏山頭ダムや水路は、大規模かんがい施設「嘉南大圳(たいしゅう)」と呼ばれる。1920年に着工し、10年かけて完成した。整備により不毛の地が台湾一の穀倉地帯に生まれ変わり、技師は台湾で高く評価されている。

 蔡総統はあいさつで、技師が努力を重ねて大事業を成し遂げたことに触れ「今、私たちはコロナや気候変動など新たな試練に直面している。台湾と日本が支え合い、八田技師の勇気と実行力を学んで立ち向かいたい」と述べた。蘇貞昌行政院長(首相)も出席した。

 この日は八田技師の命日に当たり、式典の前に技師の銅像前で慰霊祭も開いた。頼清徳副総統は「農業だけではなく、現在の半導体産業を含めた商工業の発展にも絶大な貢献があった」と述べた。

 金沢の会場からは、山野之義市長が郷土の偉人を大切に思う台湾側の参加者に感謝を伝え「日台の交流に精いっぱい取り組む」と述べた。技師の孫である八田修一氏もあいさつした。

 森喜朗元首相、安倍晋三前首相、頼副総統らのビデオメッセージが披露された。

 最後に、八田技師が作詞した「烏山頭踊り」を双方の参加者が同時に踊り、友好を誓い合った。式典は昨年9月に予定されていたが、コロナの影響で延期されていた。

無断転載・複製を禁じます