石川県は8日、新型コロナウイルスに感染していた4人の死亡と、過去最多となる80人の感染を確認し、バーベキュー会食と、飲食店の新規クラスター(感染者集団)2件が発生したと発表した。1日の感染者としては前日の47人を上回り、最多。1日の死者4人も昨年4月14日、5月1日、9月4日の3人を上回り、過去最多。死亡確認は6日連続で、死者は5月に入り計13人、4月28日以降では計15人となった。

 亡くなったのは、能美市の60代男性、白山市の80代女性、金沢市の70代女性、加賀市の70代女性。4人はいずれも感染して県内の病院で入院していた。

 新たに感染したのは金沢、白山、小松、加賀、野々市、七尾、羽咋、津幡、内灘、志賀、宝達志水の11市町の10歳未満~90代の男女。

 居住地別では金沢35人、加賀12人、七尾11人、白山、小松各7人、羽咋3人、残る5市町が各1人。

 新規感染者のうち、加賀市の20代男性4人は5月上旬に計8人でバーベキューを行っていた。既に感染が分かっている2人を含め、感染者は計6人となり、県は会食7例目、県内53例目のクラスターと認定した。

 さらに、金沢、白山市の20代女性6人は飲食店の従業員ら。既に陽性が分かっている1人と合わせ、感染者は7人となり、県は飲食店13例目、県内54例目のクラスターとの認識を示した。飲食店は接待を伴わない店。

 既に判明しているクラスター関連では、スポーツジム関連で新たに七尾、志賀の50~70代の男女12人の感染を確認し、感染者は計20人となった。スポーツ関係で新たに金沢の40~50代女性5人が陽性となり、計20人に。スナックとみられる飲食店12例目では金沢、白山の60代男性2人の感染が分かり、計11人となった。小松市民病院では新たに小松の50代男性1人が陽性となり、感染者は計43人に上った。

 このほか、既に公表されている感染者の濃厚接触者または接触者は26人で、残る24人の感染経路が分かっていない。経路不明者の24人は前日の17人を上回り、過去最多となった。直近1週間の感染経路不明者が88人となり、モニタリング指標で上から2番目の「ステージⅢ」となった。

 北野喜樹健康福祉部長は、過去最多の80人感染について「大変驚いており、危機感を覚えている」と述べ、県民に基本的な感染対策の徹底を求めた。最多の経路不明者についても「市中に感染が広がっており、非常に危惧している」と強い危機感を示した。

 県内では8日午前10時までに新型コロナウイルスの検査866件が行われ、80人が陽性だった。

 県内の死者は計84人、感染者累計は2803人となった。

  自宅療養を開始

 県内で8日、感染者の自宅療養が始まった。県によると、感染者の中で子育てや介護などの家庭の事情で自宅での療養を希望する人がいるため。入院加療の必要がないと判断された人が対象で、保健所が1日2回、健康観察を行う。

 8日午前時点で新規感染80人の内訳は、入院13人、ホテル宿泊療養2人、自宅療養1人で、宿泊療養か入院の調整中が64人。

無断転載・複製を禁じます