金沢出身の八田與一(よいち)技師が建設した台湾・烏山頭(うさんとう)ダムの着工100年の記念式典(北國新聞社特別協力)は8日、会場である台南市の八田與一記念公園と金沢市の北國新聞赤羽ホールをオンラインで結んで開催される。台湾では全土に生中継されるほか、大手新聞も事前に報じるなど、日台友好の礎となった技師への関心が高まっている。

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 式典では、八田技師が手掛けた歌詞をもとに、金沢の民謡舞踊関係者らが復活させた「烏山頭踊り」を両会場で出席者らが同時に披露する。金沢では技師の出身地、花園地区の住民らが参加し、スクリーン越しに踊りの輪を広げる。

  CMで視聴呼び掛け

 このほか、台湾側の出席者、金沢では技師の孫である八田修一氏や山野之義金沢市長らがあいさつする。

 式典の様子は台湾の民放「民視テレビ」が、日本時間の午後3時35分から約1時間半にわたって生放送する。金沢からは踊りの場面を含め計3回、実況生中継される予定で、同局は数日前から台湾全土でテレビCMを流して視聴を呼び掛けている。

 技師が設計した大規模な水利事業「嘉南大圳(かなんたいしゅう)」は烏山頭ダムを中核とし、1920(大正9)年9月に工事が始まり、10年後に完成した。1万6千キロもの水路を巡らせ、洪水と干ばつに苦しむ不毛の地を穀倉地帯へと変えた。

 台湾在住の元台北駐日経済文化代表処新聞広報部長の朱文清氏によると、数日前には複数の大手新聞が8日に記念式典が行われることを技師の功績を含めて大きく報道した。朱氏は「地元の関心は日に日に高くなっている」と話した。

 式典は当初、昨年9月に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で延期となった。金沢市は渡航が難しいため、訪問団の派遣を見送った。

  ダム湖畔で墓前祭も

 記念式典に先立ち、烏山頭ダム湖畔で八田技師の墓前祭が営まれる。

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