共同会見に臨む野上農相(右)と小泉環境相=環境省

  「中部山岳」重点地域選定

 農林水産、環境両省は28日、全国に34ある国立公園のうち、世界水準の自然保護と利用の両立を目指す重点地域として、立山連峰などで構成する中部山岳(富山、新潟、長野、岐阜)など5カ所を選んだと発表した。「感動を与える大自然」をテーマに両省が連携してモデル事業を集中的に実施し、新型コロナウイルス感染収束後の訪日外国人客の誘致に向け、国際的な知名度向上を狙う。

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 ほかに重点地域に選ばれたのは、知床(北海道)、日光(福島、栃木、群馬)、屋久島(鹿児島)、西表石垣(沖縄)。

 中部山岳は日本を代表する山岳景観を有し、世界自然遺産級に準じる地域であると評価され、選ばれた。立山や黒部峡谷、剱岳など多くの見どころがあり、公共交通のアクセスが良いこともあり「誘客ポテンシャルの高い地域」とされた。

 野上浩太郎農相と小泉進次郎環境相が共同で会見し「世界国立公園ランキングトップ25」への掲載を目標に取り組みを強化すると発表した。小泉環境相は「一日も早く結果に結び付くように連携強化する」と力を込めた。

 重点地域では、ガイドが同行しないと入れない区域を設け、人数限定で開放するツアーや、保全の原資とする「入域料」導入の検討などを進める。このほか、自然体験プログラムのPRや、高級志向の豪華なキャンプ「グランピング」を行うフィールド整備や、体験・宿泊施設の誘致などで両省が連携する。

 富山県が進めている立山黒部の世界ブランド化にも追い風となりそうだ。関西電力施設の物資運搬用の通路を巡る「黒部ルート」の一般開放を予定しており、立山黒部アルペンルートとの周遊観光の目玉としても期待される。

  個別モデル地域、白山など11カ所

 重点地域に次ぐ個別モデル地域として白山(富山、石川、福井、岐阜)など11カ所も選定。白山では外来植物への対応やニホンジカ対策が対象となる見通しで、情報共有などで両省が連携する。

 野上農相は「両省の制度、ノウハウを組み合わせることによって、より高いレベルで優れた自然の保護と利用の両立を目指し、地域の活性化にもつなげたい」と話した。

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