切り絵を寄贈した福間さん(左)=陸上自衛隊金沢駐屯地

護衛艦「かが」の艦内に飾られた切り絵作品(福間さん提供)

 今年の第77回現代美術展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社など主催)に初出品で入選を果たした福間章悦(あきよし)さん(53)=金沢市城南2丁目=は19日、入選作である切り絵を陸上自衛隊金沢駐屯地に寄贈した。3年前の大雪で福井県境の国道8号に災害派遣された自衛隊員の作業風景を捉えてあり、駐屯地の関係者は「隊員たちの励みになる」と感謝した。

 福間さんは、北國新聞販売金沢南販売所に務める傍ら制作活動に励んでいる。7年前に北國新聞文化センターの教室に入会したのを機に切り絵にのめり込むようになり、護衛艦や戦闘機を題材に制作を続けてきた。

 元海上自衛官だった福間さんの切り絵は、レーダーやアンテナなどの細部が緻密に表現され、自衛隊関係者や護衛艦ファンらに好評で、2017年7月に海上自衛隊の護衛艦「かが」が金沢港へ寄港した際に寄贈した切り絵も艦内に飾られた。

 現代美術展の工芸の部で入選した作品はB2判で、タイトルは「託された希望への道 陸上自衛官 災害派遣」。金沢市の希少伝統工芸品「二俣和紙」を用いて、膝上まである積雪の中、スコップを手に進む自衛隊員や埋もれた大型トラック、携行缶を描いた。白と黒の色のない世界で事態の深刻さを伝えた。

 19日は護衛艦「かが」の後援会「友和会」の髙桑邦夫会長らとともに、金沢駐屯地を訪れ、作品を手渡した。根本勉駐屯地司令は「栄誉ある現美で入選され、絶望の中から希望を切り開く良い題名を付けてくれた」と話し、多くの隊員が目にする駐屯地内の階段に展示するとした。

 友和会の理事でもある福間さんは「初出品で入選できて光栄に思う。会場で多くの人に作品を見てもらえた。今後も切り絵の制作を通して自衛隊の活躍を広く伝えていきたい」と話した。

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