石川県は12日、新型コロナウイルス感染拡大警報を発出した。1週間の新規感染者数が103人となり、警報ライン(85人)を3日連続で超えたため。警報発出は1月21日~3月12日以来で2度目。警報発出を受け、6月4~6日の金沢百万石まつりは全行事の中止を協議する。県内では4月に入り、感染力の高いとされる変異株の比率が5割弱に上昇しており、さらに感染が拡大する恐れがある。

 警報発出の指標となる1週間の新規感染者数は10日に89人、11日に96人、12日は103人で、100人超えは2月22日以来となった。県は警報ラインの85人を3日連続で超え、今後も感染者数が増加する可能性があるとみて、12日に開かれた対策本部会議で発出を決めた。谷本正憲知事は「市中でのまん延を防ぐことが最重要。警報より深刻なステージ3、4は避けたい」と話した。

 県によると、県内の感染者に占める変異株の比率は3月の18%から、4月は9日時点で46%に上昇している。変異株を調べるスクリーニング検査では3月は44件中8件、4月は15件中7件が陽性で累計は16件。

 厚生労働省によると、3月第4週の変異株の比率は大阪府54%、富山県29%、福井県20%、東京都3%。石川では検査数が少なく、県は13日以降、スクリーニング検査数を増やす。

 警報発出を受け、県民宿泊割事業は14日以降の予約受け付け分から割引対象外とし、「Go Toイート事業」の食事券の追加販売は当面見合わせる。県内の病床数は216床から258床に拡大する。

  2回接種後陽性、国内初か
  2日間で新たに30人

 石川県は11日に18人、12日に12人の計30人の感染を公表した。1人が重症、3人が中等症、16人が軽症か無症状となっている。

 このうち米ファイザーのワクチンを2回接種した県立中央病院の派遣社員1人の感染を確認した。県によると、2回接種後の陽性は国内初とみられる。実用化前の臨床試験(治験)では接種後に感染した人は複数いたことが判明している。

 派遣社員は3月13日と4月3日にワクチン接種を受けた。県担当者は「ワクチンを接種してから抗体ができるまでは時間がかかる。その影響があったのかもしれない」と説明した。

 これまでの治験では、2回目の接種後7日以上が経過しても、約1万8千人のうち8人の感染が確認された。ただ未接種のグループでは約1万8千人中、162人が感染している。

 クラスター(感染者集団)が発生した小松市民病院では、医師や看護師、患者ら計8人が感染。医師1人と看護師3人は1回目のワクチン接種を受けていた。同病院は対策本部を設けた。金沢市の会社関係のクラスターではさらに2人の感染が分かった。

 11、12日の感染者で残りの19人のうち、13人が濃厚接触者や接触者、6人は感染経路が分かっていない。県は12日、金沢県税事務所の男性職員の感染を公表した。生徒の感染が判明した小松高は13日に授業を再開する。

  小松市、最高警戒レベルに引き上げ

 小松市は11日、市民病院でクラスター(感染者集団)が発生し、市内で感染が拡大していることを受け、12日から5月11日までを市独自の最高警戒レベルとなる「緊急行動期間」とした。

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