プロ野球のスタジアムで販売される食品「球場メシ」に、石川県出身選手のプロデュース商品が続々と登場している。ヤクルトの奥川恭伸投手は星稜高時代に学食でお気に入りだった「金沢名物ハントンライス」(1千円)などフードとスイーツ5種類を考案し、売れ筋となっている。郷土出身選手のプレーはもちろん、ユニークな味覚が観戦時の楽しみの一つとなりそうだ。
近年、野球観戦の「お供」に定着した球場メシ。各球団が重要なファンサービスと位置付け、開発に力を注ぐ中、「プロデュースを任されたら人気選手の証し」(パ・リーグ球団)とされ、選手にとっては名誉でもある。
奥川投手が今季初登板した3月28日、神宮球場の売店には奥川プロデュース商品を求め長い列ができていた。特製ステーキ(1300円)の商品説明には「キレのあるスライダー並みの衝撃」とある。
チョコパフェ(600円)には似顔絵をあしらった小旗が添えられ、女性や子どもに大人気だった。「降板後も注文が相次いだ」と売店スタッフ。残念ながら負け投手になったものの、売り上げではしっかり貢献した。
中継ぎの柱と期待されるソフトバンク3年目の泉圭輔投手(金沢星稜大OB)はゴーゴーカレー監修でメンチカツを乗せた「いずみんの金沢カレー」(950円)を初プロデュース。契約更改の席上で「自分のグッズがほしい」と直談判したことで実現に至った。
6日に今季1号2ランで勝利に貢献した楽天の島内宏明外野手(星稜高OB)は「ガツンといくぜ!島内カルビ丼」(980円)など4品を発売。能美市出身の中日・京田陽太内野手は沖縄キャンプで食べたタコライスから着想を得て、「京田丼タコライス」(1千円)を考案した。
ロッテの岩下大輝投手(星稜高OB)はひょんなことから企業とのコラボで商品を開発した。登板時、ファンがいたずら心でネット上に書き込んだ「頑張れ岩下の新生姜」の言葉が広がったことで、製造元の岩下食品(栃木)が「ファンとして応援したい」と球団スポンサーになることを申し出た。
考案したステーキ丼(1480円)とハイボール(700円)は、どちらも生姜を効かせた絶妙な味わいに仕上がったという。
石川県出身選手プロデュースの主な球場メシ
島内宏明外野手(楽天)
彩り和風弁当(1150円)、島内くんのパワースタミナ丼(880円)、ガツンといくぜ!島内カルビ丼(980円)、シェイク「シェイクはバニラ一択」(650円)
京田陽太内野手(中日)
こだわり京田ドッグ(650円)、京田丼タコライス(1000円)
岩下大輝投手(ロッテ)
新生姜入りパワーステーキ丼(1480円)、岩下の新生姜ハイボール(700円)
泉圭輔投手(ソフトバンク)
いずみんの金沢カレー(950円)
奥川恭伸投手(ヤクルト)
リゾット風のクリームカツ丼(1300円)、金沢名物ハントンライス(1000円)、厳選!赤身肉のカットステーキ(1300円)、空揚げ&ロ~ングソーセージ丼(1000円)、チョコレートパフェ(600円)