富山県内で初確認された変異株の感染者について説明する石黒部長(左)と大石所長=県庁

  県内、新たに5人感染

 富山県は20日、県内の10歳未満から50代の男女5人が新型コロナウイルスに感染し、このうち50代男女2人が変異株に感染していたと発表した。県内で変異株が確認されるのは初めて。2人は家族でともに海外渡航歴があり、県は濃厚接触者として県内の家族9人の検査を進めている。県内の感染者数は計920人となった。

 県によると、変異株感染が判明した2人は海外渡航後、今月上旬に帰国し、2週間の自宅待機中に発熱やけん怠感、おう吐などの症状が出た。18日にPCR検査、19日に変異株かどうかを調べる検査を受け、感染が確認された。軽症で医療機関に入院している。空港検疫では陰性で、自家用車で帰宅していた。

 2人は感染判明まで自宅からほとんど出ておらず、県は2人から家族以外に感染が広がった可能性は低いとみている。プライバシー保護のためとして、2人の渡航先や期間、居住する市町村名などは公表していない。

 県によると、変異株は英国、南アフリカ、ブラジル、フィリピンで確認されており、従来のウイルスよりも感染力が強いことが懸念される。県は近く、2人の検体を国立感染症研究所に送り、どの国に由来する変異株か詳しく調べる。結果が分かるまで2週間ほどかかる見通しという。

 ウイルスが変異株かどうかは、通常のPCR検査では分からない。県は2月2日から、県内で感染が確認された場合などに専用の試薬を用いた「変異株PCR検査」を行ってきた。これまでに61人分の検体を調べ、59人が陰性だった。県衛生研究所では、通常のPCR検査と変異株の検査を合わせて1日あたり80件実施できる体制を整えている。

 新規感染者のうち他の3人は20代男性と10歳未満の女児2人。県は3人の居住地をいずれも県内とし、行動歴などを調べている。

  「取り組み徹底を」

 県庁で会見した石黒雄一県厚生部長は「変異株だから違う対策をするわけではなく、新しい生活様式など、感染リスクを下げる取り組みを徹底してお願いしたい」と呼び掛けた。同席した大石和徳県衛生研究所長もマスクや手洗い、密を避けるなど、これまで通りの対策を続けることが大切とした。

 県独自の警戒レベルについて石黒部長は変異株にかかわらず、県内の感染状況を踏まえて判断していくと説明した。

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