梅や桜の開花状況を確認する八木さん=黒部市三日市の西徳寺

 黒部市の公共交通利用推進プロジェクト「くろワン」(富山新聞社後援)を生かす活動が活発化している。黒部まちづくり協議会さくらワークショップのリーダー八木秀治さん(75)=三日市=はプロジェクト開始当初から花の案内人を務める。15年目を迎え、「植物の名を知れば、まちは違って見える。人生が豊かになる」と身近なまち歩きの楽しさを伝えている。

  プロジェクト15年目

 「くろワン」は、公共交通でのまちめぐりを促す「黒部ワンコイン・プロジェクト」の通称。市内の富山地鉄や一部バスが500円で1日乗り放題となり、春と秋の2回行われる。土日、祝日に利用でき、駅を拠点とした散策イベントが催される。

 地元の三日市地区まち歩きボランティアや黒部峡谷ナチュラリストなどとしても活動する八木さんは、くろワンでは春を探す自然観察会や桜めぐりなどで、普段は見過ごしてしまう草花を解説。市内で約60種類あるとされる桜については「四季桜や子福桜など秋や冬でも花を楽しむことができる」と紹介している。

  理科教諭から花店

 中学校の理科教諭を経て、熱帯魚と花の店を構えている八木さんは、2003年にさくらワークショップの3代目リーダーとなった。県の講座に参加し、「さくら守(もり)」修了証も得た。市内の桜を調査し、図鑑で分からないことは県中央植物園で知識を深め、市内の主な桜は全て頭に入っている。

 コロナ禍で外出の機会が減り、人の集まるイベントの開催も難しい中で、自然観察は一人でも、少人数でも楽しむことができる。「花の名前をたくさん覚えることが目的ではない。一つでも覚えて、一歩外に出ると新たな世界が広がります」。桜の季節を迎え、八木さんはまち歩きの勧めに一層力を込める。

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