素材にこだわって手作りされた酒かすあんパン。右は使用した猩々の酒かす=野々市市本町2丁目

  20、21日 800個用意

 野々市市は18日までに、市内の国重要文化財「喜多家住宅」の酒蔵で造られていた日本酒「猩々(しょうじょう)」の復活に向け、サンプルの酒の仕込みで生じた酒かすを練り込んだあんパンを作った。酒が飲めない人にも猩々の味わいを感じてもらうためで「喜多家酒蔵パン」と名付けた。20、21日に行われる「ののいち椿(つばき)まつり」(北國新聞社後援)の会場で約800個を振る舞う。

 猩々の復活は市が県立大に研究を委託して行っている。喜多家の酒蔵から見つかった醸造に欠かせない酵母菌の一種を基にし、中村酒造(金沢市)が野々市工場で試験醸造を実施した。3年かけ、サンプルの酒が今年1月に完成した。

 野々市市は20歳未満など酒が飲めなかったり、苦手だったりする人にも関心を持ってもらいたいと、もろみを搾る工程で出る酒かすの有効活用を考えた。

 市にぎわいの里ののいちカミーノの商業施設「1の1 NONOICHI」内のシェアキッチンでパンを製造販売している「クローバー」に昨年12月に相談。今回は酒かすを生地に練り込んだあんパンを作ることにした。

 酒かすは約8キロが中村酒造から提供され、配合する量で試行錯誤を重ねた。量が少ないと日本酒らしさが物足りず、多いと酒が苦手な人に抵抗感が生じるためで、酒かすの風味や優しい甘さが感じられる絶妙なバランスに仕上げた。

 あんは市内の人気たい焼き店「土九(つちく)」から調達する。20日は粒あん、21日は春らしく桜あんを入れ、日替わりとする。

 椿まつりのみの企画だが、好評ならば商品化し、毎週木曜に「1の1 NONOICHI」で営業しているシェアキッチンでの商品化も検討している。

 クローバーの松井愛子さん(41)=同市郷2丁目=は「酒が苦手な人でも、あんパンなら食べられると思う。喜多家や猩々について知ってもらうきっかけになればうれしい」と話した。

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