合同説明会の会場に向かう学生=金沢市の石川県産業展示館4号館

 来年春に卒業予定の大学生らを対象とした企業の採用説明会が解禁され、金沢市の石川県産業展示館4号館で4日、大規模な合同説明会が始まった。新型コロナウイルスの影響で業種によっては採用人数を縮小する動きもあり、学生優位の「売り手市場」は一転。先行きが不透明なことから、学生の間には焦りや不安が広がっている。

 2年ぶりに開催された北陸最大級の合同説明会「マイナビ就職EXPO」(マイナビ主催、北國新聞社共催)は、2日間で210社が出展する。コロナ対策のため予約制となっており、事前登録を済ませた学生が入り口で検温、消毒をして会場に入った。

 「今年は去年より厳しいと聞いているので心配。できるだけ多くの企業にエントリーしようと思う」。北陸大3年の男子学生(21)はこう話し、さらに「コロナの影響をあまり受けなかった業界を狙いたい」と希望を語った。地元就職を目指す金城大短大部1年の女子学生(19)も「採用枠が少ないという話をよく耳にする。とにかく不安」と足早に受け付けへ向かった。

 北陸三県の企業では、コロナ禍で需要が落ち込んだ製造、観光業を中心に今年春の新卒採用人数を絞る傾向が強かった。一方、巣ごもり需要で業績が好調なドラッグストア業界は人数を増やしており、来年春の採用方針も二極化する可能性がある。

  企業側「対面」歓迎

 企業にとってはコロナ禍での採用活動は2年目となる。昨年は説明会や面接などはオンラインが定着し、学生に一度も直接会わないまま内定を出すケースもあった。ただ、オンラインは場所を問わず大勢の学生と接触できる利点がある一方、学生の熱意や雰囲気がつかみにくいといった課題もある。

 津田駒工業(金沢市)は昨年、緊急事態宣言発令後の採用活動は全てオンラインで実施し、最終面接だけは宣言が解除されるのを待って対面で行った。担当者は「学生の全体像は、やっぱり対面でないと分からない」と話す。

 「企業の魅力を伝えるにもオンラインでは限界がある。合同説明会は採用担当者の情報交換の場でもあり、開催されてよかった」。コマニー(小松市)の人事担当者も歓迎した。

 対面での説明会を望むのは学生も同じで、福井工大3年の男子学生(21)は「自分をアピールするにも、企業の雰囲気を知るにも、直接会って話したい」と意気込んだ。

 金沢市内のある製造業によると、オンラインは気軽に参加できる分、内定を辞退する学生が例年より増えた印象があるという。採用担当者は「当面はオンラインが主流だと思うが、可能な限り対面を取り入れて優秀な学生を確保したい」と話した。

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