砂浜が少しずつ浸食されている高松海岸=かほく市高松(小型無人機から)

道路のすぐそばまで打ち寄せる波=かほく市高松(小型無人機から)

砂浜が少しずつ失われている白尾の海水浴場=かほく市白尾(小型無人機から)

2013年5月の海岸線

  市、高松海岸で対応要望へ
  人工リーフ未整備

 かほく市の白尾から高松にかけての海岸で、砂浜の浸食が進んでいる。石川県が昨年行った調査では、砂浜の幅が13年間で最大40メートル狭くなっていた。年ごとに数値に増減があり、県は「人工リーフ(岩礁)整備の効果もあり、県内では安定した海岸」との見方を示すが、地元では「危険ではないか」と深刻な声が強く、市は人工リーフ未整備の高松海岸について早期の対応を県に求める考えだ。

 「千里浜もひどいけど、こっちもひどいよ。50年近く前は波打ち際まで広い砂浜を走り抜けるのが大変だった。今は全然、様変わりしてしまった」。かほく市白尾区の西田茂基区長(68)は、生まれ育った白尾の海岸の現状を深刻そうに語る。波の高さが2~3メートルだった3日も、砂浜はほぼ姿を消し、波が護岸に押し寄せていた。

 のと里山海道白尾インターチェンジ(IC)付近の砂浜は、夏場は海水浴場として親しまれている。市によると、海水浴ができなくなるほどの影響はまだないが、西田さんは「このままだと浜で遊べなくなるし、道路に波が届くかもしれない。本当に心配」と話す。

 地元では、漁具などを展示する交流施設「うみっこらんど七塚」近くの浜へ通じる道で、浸食により地面が削られて崖のようになった場所があり、数年前に市に頼んでバリケードを設置したという。

  49地点中32地点で減

 県県央土木総合事務所は白尾から高松までの海岸線約11キロにわたり、200メートルごとに計49地点で毎年9月、波打ち際までの距離を測定している。昨年の地点ごとの距離は最大122メートル、最小は白尾海岸の20・7メートルだった。測定を開始した2007年と比較して32地点で砂浜の幅が減少し、最も顕著なのは木津の40・2メートルだった。

 県の担当者は、浸食対策として白尾、浜北、遠塚、松浜、木津の各地区の沖合に人工リーフを設置しているとし「全体として大きく浸食が進んでいるとは考えていない。冬は波が強くて砂浜が狭くなるが、夏になると戻ることも多い」と話した。

  かつては草競馬

 「かつての白砂青松の砂浜が年々失われつつある。浸食対策が未実施の箇所の早期着手を要望したい」。3日、かほく市議会3月定例会本会議の一般質問の答弁で、油野和一郎市長は高松の海岸の浸食について力を込めた。

 市内では1996年から県が人工リーフ設置を進めているが、県によると、現時点で木津より北の高松での整備計画はない。

 高松の砂浜は、かつては草競馬も行われたほどの広さだったといわれるが、昨年の測定では、高松の計21地点のうち11地点の数値が07年を下回り、減少幅の最大は32・6メートルだった。

 油野市長は「浸食状況を注視しながら、必要な情報を県へ提供し、国や県に引き続き働き掛けたい」と述べた。

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