オンライン会見で行政処分を受けた不適正な措置を説明し、陳謝する田村社長(中央)ら役員=3日午後5時

日医工への行政処分を受けて取材に応じる新田知事=3日午後4時35分、富山県庁

  製造販売業務は24日間、社長ら陳謝

 ジェネリック医薬品(後発薬)製造大手の日医工(富山市)が製品の自主回収を繰り返した問題で、富山第一工場(滑川市)で遅くとも2009年から不適正な製造・品質管理が行われていたことが3日、同社の調査報告書などで分かった。富山県は同日、医薬品医療機器法違反があったとして、同工場の製造業務を5日から32日間の停止、同社の医薬品製造販売業務を24日間の停止とした。日医工の田村友一社長は同日、オンライン会見で陳謝した。

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 報告書は、日医工から依頼を受けた「TMI総合法律事務所」(東京)がまとめ、同社が県に提出した。県の説明や報告書によると、出荷した薬が有効期限内に品質を保っているかを調べる安定性試験が2009年ごろから一部実施されず、20年2月時点で「大量の試験が行われていない状況」だった。

 また、製品の出荷時試験で、遅くとも11年ごろから不適正な措置が行われていた。製品の一部をサンプルとして調べる試験で「不適合」となった際、初回の試験結果を捨て、別のサンプルを取って「適合」としたり、錠剤を砕いて再度薬に加工したりする措置を行っていた。

 不適正な措置は工場内の品質委員会や会議で協議されていたが、改善されていなかった。県が昨年2月19~21日、抜き打ちで立ち入り調査を実施し、違法な措置が分かったという。

 日医工のオンライン会見では、田村社長ら役員が法令違反の経緯や調査内容を説明した。経営陣は立ち入り調査後に不適正な措置を把握したとし、関与を否定した。田村社長は「(現場の)法令順守意識が不足し、問題が長年見過ごされてきた。残念ながら私も認識できなかった」と述べた。

 今年1月13日までの延べ75品目の自主回収に関しては、製造や品質管理の調査を進める中で不適正な措置が分かり、随時、回収を進めてきたと説明した。同日、田村社長の月額報酬全額を3カ月減俸とするなど役員の処分を発表した。

 県は3日、富山市の富山県民会館で記者会見を開き、行政処分について説明した。富山第一工場以外の工場の品質管理に関しては「日医工から問題がないと報告を受けた」とした。

 県が2年に1度実施する過去の立ち入り調査では、不適正な措置は把握できなかったとし、昨年2月に通知せずに調査をした際、不審な記録が見つかったことが事態を把握する端緒になったと説明した。

  新田知事「非常に残念」

 新田八朗知事は日医工に業務停止を命じたことについて「非常に残念。全国的に普及を進めているジェネリック医薬品への信頼も揺るがしかねない重大な事態だ」と述べ、富山県の医薬品産業全体の信頼回復に努めるとした。

 県庁で記者団の取材に応じた。新田知事は同社が、ここ10年で急成長した過程で無理が生じ、違反につながった可能性を指摘。「監督者として責任を感じている」と述べ、チェック体制の強化を課題に挙げた。

  代替品の調整依頼

 新田知事は、医療現場に大きな影響が出ないよう代替品の調整を依頼していると説明し「大きな混乱にならないと考えている。安心してほしい」と述べた。

 ★日医工(富山市) 1965年に医薬品販売の「日本医薬品工業」として設立。67年に富山工場を建設して製造を始めた。80年に名証、81年に大証に上場した。2005年に商号を日医工に改め、10年、東証1部に上場した。資本金は233億6千万円。20年3月期の連結売上収益(国際会計基準)は1900億7600万円。国内に8生産拠点と海外に3生産拠点を持つ。

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