寒波の影響で全国的に電力需給がひっ迫し、北陸電力送配電は供給確保に追われた。暖房用需要が急増する中、火力発電燃料である液化天然ガス(LNG)の調達が遅れ、北電が供給力を維持する一方、北電送配電の送配電網を使う新電力会社で在庫が不足。北陸全体の電力の供給予備率は連日、他エリアからの融通が必要な3%を下回り、安定供給に課題を示した。

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 「2018年の『福井豪雪』の時さえ融通は受けなかったのに、今回は火力発電燃料の確保にコロナ禍などの影響が複合的に出てしまった」。北電の担当者は北陸エリアの供給力不足で北電送配電が7、8日に他エリアから電力の融通を受けた背景について、こう説明した。

 北電によると、今回の電力不足は、暖房需要が急増する中、悪天候で太陽光発電が十分にできないことに加え、LNGの在庫が全国的に足りなくなったことが要因だ。

 LNGを巡っては、コロナの感染防止策を講じるため日本への輸送船がパナマ運河で渋滞し、日本の港で荷揚げする際も、寒波に伴う強風や高波で作業が難航しているという。供給元のプラントのトラブルが相次いでいることも影響した。

 このため、北電送配電の送配電網を使って北陸エリアで電気を販売している新電力会社の一部が、日本卸電力取引所(東京)から電力を調達するのが困難となり、供給が追い付かなくなったとみられる。

 送配電会社は管内の電力供給力の予備率が3%を切ると、全国の需給状況を管理する電力広域的運営推進機関(東京)に融通を依頼し、同機関が他エリアの送配電会社に融通を指示して需給を調整する仕組みとなっている。

 北電は自社の供給力を確保し、新電力にも一時融通したが、それでも7、8日は北陸の予備率が3~2%に下がる時間帯があり、北電送配電は他エリアから初めて融通を受けた。反対に8~12日は時間帯によって電力を回せる余裕があったため、中国や関西、九州の各送配電会社に融通した。

 北電は自家発電設備を持つ事業者に追加供給を依頼するなど電力確保に取り組んでおり、担当者は「利用者にできる範囲で電力の使用を控えていただくと同時に、電力業界の総力を挙げて難局を乗り切りたい」と話した。

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