網棚にフォックスフェイスなどを生ける角社中のメンバー=のと鉄道穴水駅

菅原さん(中央)から植物を受け取る角代表(右)=30日、穴水町根木

 畑仕事の傍ら、のと鉄道に手を振るのを日課とする「悦ちゃん婆ちゃん」こと菅原悦子さん(86)=穴水町根木=が栽培した園芸植物が31日、同鉄道の車中を彩る生け花になった。菅原さんから花や実の提供を受ける北國新聞文化センター講師の草月流角翠瑛(かどすいえい)社中が、初めて企画した。車両の網棚全てを作品展示に使った。社中は「車窓の景色と合わせて楽しんでほしい」と期待している。

 ●角翠瑛社中が作品に

 社中は、菅原さんから黄色の紡錘形(ぼうすい)の実を結ぶナス科の園芸植物「フォックスフェイス」などを譲り受けて生け花作品を制作し、毎年町内の文化祭などで展示してきた。

 今年は新型コロナで展覧会が中止となり、菅原さんが丹精した花や実の行き先がなくなったため、受講生の作品発表の機会をつくるとともに、のと鉄道を応援する菅原さんの思いを広く伝えようと角翠瑛代表(67)=同町大町=が車内での展示を発案した。

 展示は「車中で社中展」と名付けた。30日に角代表が菅原さんの畑を訪れて、フォックスフェイスやキクなどを受け取り、31日は穴水駅の車庫に停車中の車両で社中の7人が制作に励んだ。菅原さんが育てた植物のほか、着色したミツマタや綿花、ゲッケイジュ、色つきの皿などを組み合わせ、網棚に絡ませた。

 展示は普通車両1両のみで、七尾―穴水間を1日4~5往復する。作品の保存状態にもよるが、23日頃まで展示を続けたいとしている。

 角代表は「菅原さんの思いがこもる植物を車窓の風景と同時に見てもらい、里山里海の魅力や人の温もりが伝わればうれしい」と話した。

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