迷子の3歳児を見つけた歩道で保護した状況を説明する羽毛君(右)と橋本さん。当時、県道は多くの車が行き交っていた=金沢市大野町4丁目

  ●雨の中、3歳に「大丈夫?」

  ●県道沿い「放っておいたら大事故に」、西署が感謝状

 「パパがおらんくなった」。降りしきる雨の中、そう泣きじゃくるパジャマ姿の3歳児を保護したのは2人の小学4年生だった。11月10日朝、通学途中だった金沢市大野町小の羽毛(はも)丈一郎君(10)、橋本紗江さん(10)は、県道沿いの歩道で迷子の男の子を見つけて付き添い、通勤で通り掛かった同校教諭に事情を説明。男の子は通報を受けた署員が無事自宅に送り届けた。6日、金沢西署は児童2人に感謝状を贈り、勇気ある行動をたたえた。

 2人が水玉模様のパジャマを着た男の子を見かけたのは、11月10日午前7時半ごろ。大野町4丁目の通学路の県道に面した歩道で雨にぬれながら泣いていたという。

 2人が「大丈夫?」「迷子なん?」と声を掛けると、「パパがおらんくなった」と返事があった。朝の時間帯の県道は交通量も多く、2人は「このまま放っておいたら大事故になるかも」と、男の子を傘の中に入れて探す人がいないか、一緒に待つことにした。

  ●先生に知らせる

 そこに竹中勇真教諭(29)が車で通り掛かり、2人から状況を聞いた。竹中教諭が男の子に自宅を尋ねたものの、はっきりしなかったため、鶴岡美津代校長(52)が金沢西署に通報した。その後、大野町小の校下内に住むという男の子の父親から「目を離した隙に子どもが自宅からいなくなった」と西署に通報があった。

 県警によると、小学生が幼児や高齢者の保護に加わるケースは珍しい。6日、同校で行われた贈呈式では、石塚武志署長が羽毛君と橋本さんに「2人のおかげで大きな事件、事故に巻き込まれなくて済んだ」と感謝状を手渡した。

  ●「勇気出し声掛け」

 同じ保育園に通い、放課後は学童保育で一緒に宿題をするという2人。羽毛君は「大丈夫かと心配になって、勇気を出して声を掛けてよかった」と笑顔を見せ、橋本さんは「雨の中、泣いていてびっくりした」と振り返った。鶴岡校長は「子どもたちが自ら考え、行動してくれたことがうれしい」と感心した。

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