金沢市が増便を求める方向で調整している北陸鉄道石川線=同市内

  ●1時間1本の日中検討

  ●維持費負担受け 1月の会合で決定

 赤字が続く北陸鉄道石川線の存続に向け、金沢市が利便性向上策として増便を提案し、北鉄と調整を進めていることが4日、分かった。1時間に1本のみの運行となっている日中の時間帯を中心に追加を検討している。金沢など沿線自治体は、鉄道施設の維持経費の一部を負担する方向のため、老朽化した車両の更新を含め、利用者の上積みを促す見通し。対策を年内にまとめ、来年1月の会合で決定する。

 関係者によると、石川線は現状5編成で運行しており、金沢市は現有車両で可能な範囲での増便を求める意向だ。現行のダイヤは、鶴来発の上りで午前9時台~午後1時台、野町発の下りでは午前10時台~午後1時台が1時間に1本の運行となっており、この時間帯を中心に増便したい考え。実施時期や本数は今後、北鉄と協議を重ねる。

 このほか、早期のキャッシュレス化や他の鉄道・バスとの乗り継ぎ割引、パーク・アンド・ライドの拡充も要請し、利便性を高めて利用者を増やす「好循環」につなげる。

 石川線を巡っては、北鉄が新型コロナや燃料価格高騰に伴い、高速バスなどの収益で鉄道の赤字を補填(ほてん)する経営スタイルが成立しなくなったと判断。自社単独での運行継続が難しいとして沿線自治体に支援を要請した。

 これを受け、金沢、白山、野々市、内灘の4市町は8月の会合で鉄道を存続させる方針を決定した。行政の支援のあり方や利便性向上策を取りまとめることを決めていた。

 行政の支援策については、村山卓金沢市長が1日の市議会12月定例会本会議で、鉄道施設の維持経費の一部を沿線自治体が負担する「みなし上下分離方式」を採用したいとの意向を表明した。北鉄は鉄道施設を自治体に譲渡し、交通事業者が運行を担う「公設型上下分離方式」の導入を求めているが、金沢市はみなし上下分離の方が公設型より負担が抑えられるとみている。

 金沢など沿線自治体は、経営が厳しい鉄道やバスの再編に向け、国が今年度に創設した財政支援制度「地域公共交通再構築事業」を活用することを計画している。鉄道の増便や車両更新、駅待合室の改良に対し最大で半額を補助する仕組みで、石川県にも支援を求め、地域で公共交通を支える仕組みの構築を目指す。

 ★北陸鉄道石川線 野町-鶴来駅間の13・8キロ。2022年度の営業収益は2億1900万円、営業損失は1億2400万円。北鉄は石川線、浅野川線の鉄道事業で20年連続の営業赤字を計上している。09年に鶴来-加賀一の宮駅間の2・1キロの営業を停止した。

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