営業最終日、クリスマスの装飾の前で撮影を楽しむ来館者=志賀町赤住のフローリィ

最後の営業を終えたしら井=七尾市一本杉町

 志賀町赤住の「花のミュージアム フローリィ」と、七尾市一本杉町の老舗海産物店「しら井」が30日、営業最終日を迎えた。能登に根を下ろし、長年親しまれてきた施設と名物店との別れを惜しむように、地域住民や観光客らが訪れた。

 北陸電力志賀原発に隣接する「花のミュージアム フローリィ」(志賀町赤住)が30日、20年の営業に幕を下ろした。コロナ禍で落ち込んだ業績の回復はならなかったが、営業最終日は昨年同日より300人以上多い451人が訪れ、写真撮影を楽しむなど咲き誇る花々と名残を惜しんだ。

 南欧風庭園にはポインセチアの鉢や華やかな装飾のツリーが並び、団体客をはじめ家族連れ、カップルがクリスマスムードを満喫した。館によると、11月初めに閉館の報道が出てから、普段の2~3倍の来場があり、日曜だった26日はコロナ禍前以来の千人を数えたという。

 富山市のコスプレイヤー叶夢向(かなた)さん(23)は4週連続で訪問。スマホゲーム「あんさんぶるスターズ‼」のキャラに扮(ふん)してあちこちでポースを決めた。友人のはりねずみさん(22)と「閉館が決まってからこんなに映えるスポットがあったと知った。なくなるなんてもったいない」と声をそろえた。

 フローリィは町と北電、JA志賀が出資し2004年にオープン。志賀原発の温排水を利用して暖めた館内で四季折々の花を展示してきた。北電は14年から指定管理者となったが、来館者の減少と施設の老朽化を受け、来年度以降の管理を更新しないことを決めた。

 高浩治館長は「スタッフとしても閉館は残念だが、たくさん来ていただき、愛された施設だったと実感している」と感謝を述べた。今後、町と北電で施設の活用法を検討する。

 七尾市一本杉町の老舗海産物店「しら井」が30日、最後の営業を終え、93年の歴史に幕を閉じた。最終日も常連客が次々と訪れ、長年にわたり伝統を守り続けた従業員にねぎらいの言葉を掛けた。

 肉厚の日高昆布を長時間じっくり煮込んでニシンやブリを巻く「昆布巻」で知られ、口の中でほぐれる独特の食感で地元住民や観光客から親しまれてきた。同店は、後継者がおらず、昆布の収穫量も減少したことなどを閉店の理由に挙げている。

 店内の一角には「ミニギャラリー玉藻」を設け、市民が自由に作品を展示する場となっていた。おかみの白井洋子さんは「最後までたくさんの人に来ていただいた。本当にありがとうと言いたい」と感謝した。

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