58歳の誕生日を前に記者会見される秋篠宮さま=27日、東京・赤坂御用地の赤坂東邸(代表撮影)

 秋篠宮さまが58歳の誕生日に際し、宮内記者会と会見された内容の全文は次の通り。

 ―お住まいについてお伺いします。秋篠宮邸の改修にあたり、ご家族で相談をされ、宮邸改修後も佳子さまが分室で生活をされることになった経緯や、当初の計画からの変更点について公表されなかった理由をお聞かせください。宮邸の改修費用をはじめ、佳子さまが分室にお住まいの事実を公表するまでの経緯やタイミング、説明内容をめぐっては国民の間でもさまざまな意見がありますが、殿下のお考えをお聞かせください。国民の理解を得るためにはどのような対応が必要だとお考えでしょうか。

 「今のご質問にあった私たちの住まいについてですけれども、まずお話をしておくのがいいかなと思うのは、住まいというと住んでいる場所、つまり居住区になります。今回の改修というのは、その住まいの部分と、それから来客の応対をしたり、それから私たちがさまざまな打ち合わせをしたりする場所、これを公室部分と呼んでいます。そして、広義ではその二つを秋篠宮邸と言えると思います。それにプラスして、役所の一組織である皇嗣職、それが加わった工事、改修でありました。それの新築部分もしくは増築部分というのは、最も大きかったのがお役所の部分、皇嗣職の部分で、これが66%でした。そして、それから今度は公室部分、これはもう50年間、元の秩父宮邸ですけれども、50年間にわたって行われてこなくて、かなり老朽化した部分がありました。それで、かなり引き延ばしていたんですけれども、それも、どうしてもせざるを得ないということで行ったものと、そこに、こちらが主として公的なものに関わる仕事をする場所というもの、それが大体30%弱ですね。29%になるかな。そして住まいについて、5%ほどの増築をしたわけでございます。今いろいろとこう話題になっていること、それは、それら全てが一緒にされていることが大きいように思います。そしてまた一方で、今まで発表されてきたことに、その三つの区分けというものがどうも明確ではなかった、説明が不十分だったと私は思っています。そのことを理解していただきたいと考えます。また、公表でしたか、公表しなかったこと」

 ―ご家族での相談や、佳子さまが分室で生活をされることになった経緯。

 「これは当初、この改修工事が始まる時に、私と妻もそうでしたし、それから娘たちも両方とも最初から、改修した後の所に、当時は長女と次女2人ですけれども、部屋を設けないという考えを持っていました。理由としては、いずれはこの家から出ていくであろう、実際に1人はもうその前に結婚しているわけですけれども、娘たちの部屋をそこに用意すること自体がある意味無駄になるという考えからです。そのことを両方、つまり、私たちも思っていましたし、娘たちも思っていましたので、話し合いというか、ある意味、その認識を確認したということで、非常にすんなりと決まったことでありました。そして、そのことを公表しなかった理由、これは、つまり、仮に住んでいた場所の一部と今住んでいる場所と一体的に使うということであり、次女が別々に住んでいるというのを公表しなかったことでありましょうが、当初しなかったのは、まず、どこに住んでいるかというのはプライベートなことになります。この家のどこに誰が住んでいるということは、そもそも、もともと公表していないことですね。そしてもう一つはやはりセキュリティー上のこともありますので、そういうことから公表しなかったわけです。しかしその後、例えば皆さんとお話をしているこの赤坂東邸を秋篠宮邸の一部にする、一体化させるという話などもありましたけれども、そういうのは、結局は今の共用殿邸としての形を残すべきだろうということから、そういう話がなくなったことなどを合わせて、やはり当初からの大きな変更というふうに考えたことから、6月の公表ということになったわけです。そうですね。大体それで今の質問に答えていますでしょうか」

 ―発表するまでの経緯やタイミングにあっては。

 「そうですね。発表するまでの経緯。経緯というか、特にタイミングですね、これについては冒頭にお話ししたように、この改修工事が、私たちの住まいともう一つは皇嗣職というお役所の一部署と両方のことを合わせて発表しないといけないというようなことから、いろいろ意見集約に時間がかかった。本来であれば、年度末に出せば良かったと思いますけども、いろんなことから時間がかかったということがありました。そして、それとともに、これは最終的にこういうことを公表するという段階で、それを良しとするのは、まあ言ってみれば私ですが、私自身がそのことについて、かなりぐずぐずしていたということがあります。つまり引き延ばしてしまい、非常にタイミングとして遅くなったなというのが反省点です、といったところでしょうか」

 ―タイミングに関連するのですけども、ぐずぐずということはどういったところ。

 「そうですね。どういったというか。先延ばしにしてしまったというところですね。もっとやはりそこにきちんと関わって、タイムリーに出すという必要があったなと思っています」

 ―この発表の経緯やタイミングに関しては、国民の間でもさまざまな意見がございますが、国民の理解を得るためには、どのような対応が必要だとお考えでしょうか。

 「そうですね。こういうことは、理解を得るというのは、本来はそういう何かをする前に理解を得るという、得られるかどうかということなのだと思います。したがって1回出たことに対して理解を得るということは、なかなか私自身は難しいことだと思いますけれども、先ほど冒頭でお話ししたような、こういう事情があるのだということをまずは伝えておくことが必要かなと思いました。よろしいでしょうか」

 ―宮内庁に皇室の情報発信強化を目的とした広報室が新設されてから約8カ月が経過しました。殿下が過去の会見で言及されたタイムリーな情報発信や、反論する場合の「基準作り」の検討状況とともに、現在の皇室の情報発信についての見解や課題、秋篠宮家へのバッシングととれる一部報道や交流サイト(SNS)上の声についてのご感想や、その対応について宮内庁と話し合っている事柄がありましたら教えてください。公的なご活動以外のご様子を伝えることは皇室への理解を深めることにもつながりますが、殿下のお考えをお聞かせください。

 「宮内庁に広報室ができたのがこの4月になります。ただ、この広報室ができて、半年以上たっていますが、私自身が何かそれに関わっているということはありません。しかし、恐らく、宮内庁の総務課広報室で、皇室の情報発信ということについては、今いろいろなことを考えている、検討している段階だと思います。私はやはり情報、先ほど自分のことがタイムリーじゃなかったのであまり言えないのですけれども、やはり大切な情報を役所のウェブサイトでタイムリーに発信していくということは、大変大事なことだと思います。ウェブサイトについても、それほど遠くないうちにリニューアルが行われるという話も聞いておりますので、そこが良い形での情報発信の場になるといいのではないかと思っています。(質問が)たくさんあったので」

 ―殿下は過去の会見でも言及されていました、反論する場合の「基準作り」に関して、これに関してはいかがですか。

 「そうですね。昨年も確か基準は非常に作るのは難しいという話をしたかと思います。何かリアクションをする時にしても、その中にいろいろな要素が入っていますので、これをどこか一定のところに持っていくというのは、これはなかなか難しいですけれども、メディアとかネット、そういうものに対して、対応するための何らかのガイドラインというのは、引き続き検討していく必要があるかと思っています。そうですね、基準ということについてはその辺りでしょうか」

 ―現在の皇室の情報発信についての見解や課題については、いかがでしょうか。

 「そうですね。皇室の情報発信、これは先ほどお話ししたことと重複しますが、やはり、皇室全体の情報発信、これをタイムリーに行っていくことは非常に大事なわけなのですけれども、一つ、もし課題を挙げるとすれば、広報室というものができても、ではその広報室が今度はそれぞれの家ですね、うちも含めて、どういうふうに密にコンタクトをとりながらやっていくかというのは、これはそれぞれとやらなければいけないわけですから、人員的な問題もありますし、どういうふうにコラボというか協力しながらやっていくかというのは、これからもっと考えていかなければいけないことではないかと思います」

 ―秋篠宮家へのバッシングととれる一部報道やSNS上の声についてのご感想はいかがでしょうか。

 「そうですね。バッシングと取れる報道とかSNSでの声についての感想、これはまず、なかなか感想を言うのは難しいなと思います。というのは、SNSとかネットユーザーの中で、どれくらいの人が、そういう意見を書き込んでいるのか、非常に極端なことを言っている人の割合というのは相当低いというのは私も知っていますけれども、それよりかは恐らくもっと広範に見た方が良いと思うのですが、バッシングの基準というのもなかなか分かりにくいところもありますけれども、ネットユーザーの中のどれくらいのパーセンテージでそういう発信をしているのか、ということが分からないとこちらとしてもなかなか感想ということは言えないわけですね。それが非常に高いのか、それとも非常に低いのか、によってやはり違ってくると思います。この辺りは、そうですね、私もこれから少し調べてみる必要はあるのかなと、それは、こちらに対してということではなくてですね、全体の利用状況といいますか、そういうもののことですけれども、して(調べて)みたいと思います」

 ―現状の認識としては、かなりお心を痛められているとかっていうような。

 「何と言いますか、それを目にしなければ気にはならないわけですね。目にすることもやはりあるわけですけれども。今、お話ししたように、ではどれくらいの人たちがそういうことを書いているのか、発信しているのかということによって、こちらの認識というのも変わってくるということですね」

 ―その対応について、宮内庁と話し合っている事柄がありましたら、お教えください。

 「対応については、特段何か話し合いをしているということはありません。ただ、これは先ほどの反論の基準にも少し関係してくるかもしれませんけれども、むしろ、例えば宮内庁であれば、繰り返しになってしまいますけれども、よりポジティブと言うとちょっと言い過ぎかもしれないですけれども、正確な情報をタイムリーに出していくことは、そういうものと向き合う上では大事なことではないかと思います」

 ―公的なご活動以外のご様子を伝えることは皇室への理解を深めることにもつながりますが、殿下のお考えをお聞かせください。

 「そうですね。公的なもの以外というもの、これもかなりたくさんあるわけですけれども、確かに今お話があったように、そういうものも含めて発信されると、理解が深まるということは考えられます。そしてまた、私たちの活動を三人称でなくて一人称で発信したとすれば、それはより理解が深まると思うのですね。それの延長として、じゃあ、公的な活動以外のものも発信できるかというと、これなかなか、それこそ一定の基準がないと難しいかもしれません。というのは、公的な事柄に非常に近いこともあれば、夏休みにどこかに行ったとか完全に私的なこともあります。そして、もう一つは、あくまでも宮内庁のホームページで情報発信をするということになると、基本はやはり公的な事柄の発信ということになるのだと思います。ですから、その辺りをどこまで許容できるか、というのはこれから検討していく、検討に値するのではないかなと思っています。その中には、例えば外国に行くのであっても、公式ではなくて非公式なのだけれども、行った訪問先ではかなり公的に扱っているものなども今までもありますので、その辺はまた考えていったら良いのではないかと思います」

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