校歌の旋律を生かしたチャイムで授業に臨む生徒=金沢市長町中

  ●金沢・長町中は校歌アレンジ

 石川県内で、おなじみの「キンコンカンコン」のチャイムをやめる学校が増えている。金沢市長町中では、校歌の旋律を生かした独自のメロディーを流す。能美市浜小はチャイムの回数を限定し、金沢高ではチャイムを鳴らさない「ノーチャイム」が定着している。県教委によると、チャイムに関する決まりはなく、自主性、多様性を重んじる今の学校では時間の管理を児童生徒に任せる動きが広がっているようだ。

  ●金沢高鳴らさず

 今年度に開校した金沢市長町中では9月の2学期から校歌の旋律を生かしたオリジナルのチャイムに変更した。

 昨年度まで旧小将町中、高岡中、紫錦台中に通っていた生徒が在籍する長町中では制服もばらばら。「一体感と母校への誇りを持ってほしい」と田中一宏校長が後藤洋昭和音大教授に曲の制作を依頼した。生徒からは「落ち着く音で気持ちよく授業に臨める」と評判は上々だ。

 中能登町鹿島小では、授業の始まりと終わりに2種類のオリジナル曲を使用している。始業のチャイムは勉強への意欲が高まるように心安らぐメロディーで、終業は休み時間を楽しみにしている子どものために短めの曲にしている。宮下慶子校長は「爽やかに授業を始められる」と話した。

 金沢くらしの博物館(金沢市)によると、手巻き式時計が主流だった約50年前まで学校では校務員が手持ちの鐘を鳴らして回ったが、放送設備が導入され、チャイムに切り替わった。

 県教委や金沢市教委によると、チャイムの曲に決まりはなく、各校に委ねられているものの、大半は「キンコンカンコン」と鳴る「ウェストミンスターの鐘」が用いられている。

 一方で「チャイム不要論」もせり出している。ノーチャイムは児童や生徒が時計を見ながら自主的に行動するため、時間を管理する能力が養われると、全国的に増加傾向にある。

 金沢高は19年度にノーチャイムを本格導入。生徒は教室の時計などを確認して移動し、始業前に自主的に着席する。生徒からは「最初は戸惑ったが慣れた」との声が多い。島畑博之副校長は「生徒の主体性が養われ、成長につながる。他校もやってみたらどうか」と手応えを話す。

  ●能美・浜小は1日3回

 能美市浜小では9月からチャイムの回数を1日3回だけにした。朝学習の開始5分前と、長休みと昼休みの終了5分前に鳴らす。

 児童が時間を守る大切さを身に付けるためで、授業に遅れる児童はおらず、「教職員にも授業のタイムマネジメントの大切さを認識する機会になった」(市教委担当者)という。

  ●夕焼け小焼けで「先生も帰ろう」

 教職員の働き方改革として、メロディーで教職員にも退校を促すのは金沢市医王山小中。登校時間の午前8時15分にヴィヴァルディ「春」、終業の合図として午後4時45分に「夕焼け小焼け」を校外にも聞こえるように流す。田中宏志校長は「今では教職員だけでなく住民の生活リズムを支える音にもなっている」と話した。

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