水揚げされるカキ。例年はこの2~3倍ほどカキ殻が付くという=9月、七尾西湾

  ●業者、出荷停止や数量減

 七尾西湾で養殖されている「能登かき」の記録的な不漁を受け、七尾市のふるさと納税返礼品がピンチに陥っている。十分な量を確保できず、今季の出荷をあきらめたり、数量を制限したりする業者も出始めた。人気の品目とあって、市側は「ふるさと納税全体の寄付額にも影響しかねない」と心配するが、県漁協によると、水揚げが好転する兆しは見えない。

 カキの不漁は高い水温やクロダイによる食害が原因とみられる。石川県漁協ななか支所七尾西湾出張所運営部会によると、所属するカキ業者の多くが今季の水揚げを例年の3~5割減と見込む。

 市によると、能登かきはふるさと納税の返礼品としてニーズが高く、返礼品を扱うサイトでは「海産物」の項目とは別に「能登かき」専用のページが設けられている。市は返礼品として提供するカキを10業者から納入しているが、このうち2社からは「今季は出荷できない」と連絡があった。そのほかの業者も提供の時期を遅らせたり、数を減らしたりする対応を講じているという。

  ●万葉マラソンは参加賞

 来年3月に七尾市内で開催される「能登和倉万葉の里マラソン」(北國新聞社後援)の関係者も頭を悩ませる。同大会ではコロナ禍で制限していた定員を従来のフルマラソン5千人、10キロ2千人に戻し、出走者全員に蒸したカキ5個を参加賞として贈る予定だが、必要量をどこまで賄えるかは不透明だ。

 大会の補給食として提供する「能登マ丼」にもカキが入っているほか、飲食ブースではランナーがゴール後に焼きガキを味わうのが定番となっている。

 県漁協ななか支所七尾西湾出張所運営部会の山口達也部会長(55)は、能登和倉万葉の里マラソンを特産のカキをPRする絶好の機会だとし、「厳しい状況ではあるが、待っている人もいるのでなんとか用意したい」と話した。

  ●ころ柿も制限可能性

 七尾湾のカキと同じく、今季、猛暑の影響で出荷が減っている志賀町特産の干し柿「ころ柿」もふるさと納税の返礼品として人気がある。町によると、出荷が本格化するのは12月からで、担当者は「あまりにも数が少ないと数を制限せざるを得ない状況になるかもしれない」と話した。

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