深海(しんかい)の生きものと一緒(いっしょ)に展示(てんじ)されている雌(めす)のズワイガニ=七尾市(ななおし)ののとじま水族館(すいぞくかん)

雄のズワイガニ。雌と比べて2倍近い大きさに育つ

雌のズワイガニ。「輝姫」といったブランドに認定されるには、大きさだけでなく形が整っていることなど細かい基準が設けられている

暗い深海の生きものだけあってズワイガニの目は小さい

 ゆでてよし、焼(や)いてよし、刺身(さしみ)で食べてもよし。北陸(ほくりく)の冬の味覚(みかく)を代表(だいひょう)するズワイガニは漁期(りょうき)の真(ま)っ最中(さいちゅう)だ。スーパーにもよく並(なら)んでいるので味(あじ)わった人もいるだろう。

 のとじま水族館(すいぞくかん)では生きたズワイガニを観察(かんさつ)できる。「深(ふか)い海の生きものたち」というコーナーに雌(めす)2匹(ひき)を展示(てんじ)しているが、今冬は新たに雄(おす)を搬入予定(はんにゅうよてい)だ。特徴(とくちょう)を展示飼育係(てんじしいくがかり)の宮澤里奈(みやざわりな)さんに教えてもらった。

 大きさは甲羅幅(こうらはば)で雄(おす)が15センチ、雌(めす)が7~8センチ程度(ていど)に成長(せいちょう)する。ベーリング海のアラスカ沿岸(えんがん)やオホーツク海、山口県以北(やまぐちけんいほく)の日本海などに分布(ぶんぷ)し、日本海では水深(すいしん)200~500メートルの深海(しんかい)に生息(せいそく)している。

 館内(かんない)のズワイガニの餌(えさ)はイカやオキアミだ。雄(おす)の餌付(えづ)きはあまりよくないことがあり、飼育(しいく)の際(さい)は棒(ぼう)に餌(えさ)を付(つ)けて口元まで運(はこ)んであげるそうだ。写真(しゃしん)を撮(と)る場合はフラッシュを控(ひか)えよう。暗(くら)い深海(しんかい)の生きものなので光に馴(な)れていない。

 石川(いしかわ)や富山(とやま)では毎年11月6日に漁(りょう)が解禁(かいきん)される。漁期(りょうき)は雌(めす)が石川(いしかわ)は12月29日、富山(とやま)は1月20日まで。雄(おす)は両県(りょうけん)ともに3月20日までだ。生息数(せいそくすう)を確保(かくほ)し、持続的(じぞくてき)な漁(りょう)につなげる資源保護(しげんほご)の観点(かんてん)から雌(めす)の方が漁期(りょうき)は短(みじか)い。おいしいからといって取(と)りすぎてはいけない。

 ちなみに石川(いしかわ)で取(と)れたズワイガニは雄(おす)が加能(かのう)ガニ、雌(めす)が香箱(こうばこ)ガニと呼(よ)ばれている。厳(きび)しい基準(きじゅん)を満(み)たす個体(こたい)は雄(おす)が「輝(かがやき)」、雌(めす)が「輝姫(かがやきひめ)」という最高級(さいこうきゅう)ブランドに認定(にんてい)され、高値(たかね)で取引(とりひき)される。今年の初競(はつせ)りでは「輝(かがやき)」は300万円で競(せ)り落(お)とされたというから驚(おどろ)きだ。

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