体がいつも湿(しめ)っているアベサンショウウオ=能美市(のみし)のいしかわ動物園(どうぶつえん)

屋外にいたアベサンショウウオ

アベサンショウウオの幼体

卵からかえって間もない幼生のアベサンショウウオ

アベサンショウウオの卵塊

アベサンショウウオの卵

アベサンショウウオの雄。産卵期には尾が特に平たくなる

アベサンショウウオの雄と雌。大きさを見比べてみよう

展示水槽のコケから顔を出すアベサンショウウオ

オオサンショウウオが展示されている水槽

いしかわ動物園が2012年に受けた繁殖賞

 いしかわ動物園(どうぶつえん)が国内で初(はじ)めて繁殖(はんしょく)に成功(せいこう)したのがアベサンショウウオだ。環境省(かんきょうしょう)の絶滅危惧(ぜつめつきぐ)ⅠA類(るい)、種(しゅ)の保存(ほぞん)法(ほう)で国内希少野生動植物種(こくないきしょうやせいどうしょくぶつしゅ)にそれぞれ指定(してい)されており、繁殖(はんしょく)に成功(せいこう)した同園は2012年に日本動物園水族館協会(にほんどうぶつえんすいぞくかんきょうかい)から繁殖賞(はんしょくしょう)を受(う)けた。飼育展示課専門員(しいくてんじかせんもんいん)の那須田樹(なすだたつき)さんに飼育方法(しいくほうほう)や特徴(とくちょう)を尋(たず)ねた。

 夜行性(やこうせい)で暗(くら)い所(ところ)を好(この)み、水槽(すいそう)ではコケの中に潜(もぐ)り込(こ)んでミノムシのように隠(かく)れている。同園では隠(かく)れる場所(ばしょ)を増(ふ)やし、冷(つめ)たく湿(しめ)った暗(くら)い環境(かんきょう)を保(たも)って、夏は気温(きおん)や水温(すいおん)が高くならないよう注意(ちゅうい)している。餌(えさ)としてコオロギの幼虫(ようちゅう)を与(あた)える際(さい)はカルシウムやビタミン剤(ざい)を振(ふ)り掛(か)けて栄養(えいよう)を補(おぎな)う。

 全長(ぜんちょう)8~12センチ、体重(たいじゅう)8~15グラム。体はいつも湿(しめ)っていて、背中は黒みがかかった茶系の地味(じみ)な色だ。脚(あし)は短(みじか)く、愛(あい)らしい顔をしている。雄(おす)の尾(お)は産卵期(さんらんき)に特(とく)に平(ひら)たく、大きくなるそうだ。

 ミミズやクモを食べるが、動(うご)いているものにしか反応(はんのう)しない。そのためピンセットを使(つか)って餌(えさ)を口の前で動(うご)かしてやるか、生きた餌(えさ)を与えている。餌(えさ)を捉(とら)えようとすると空振(からぶ)りとなり、間違(まちが)えてコケやほかのサンショウウオの脚(あし)に食(く)い付(つ)くことがある。

 石川県内(いしかわけんない)では小松市(こまつし)や能美市(のみし)、県外(けんがい)では福井(ふくい)、京都(きょうと)、兵庫(ひょうご)の一部(いちぶ)に生息(せいそく)している。ちなみに名前は動物学者(どうぶつがくしゃ)の阿部余四男(あべよしお)さんに由来(ゆらい)し、英名(えいめい)は「アベズサラマンダー」という。

 観賞(かんしょう)する際(さい)は隠(かく)れていても諦(あきら)めずによく探(さが)してみよう。那須田(なすだ)さんいわく、「難(むずか)しい分だけ見つけると少しうれしい」とのことだ。

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