色が似ているだけでなく、体もごつごつとしていて岩のように見えるオニオコゼ=七尾市(ななおし)ののとじま水族館(すいぞくかん)

「黄色個体{おうしょくこたい}」のオニオコゼ

一般的な色のオニオコゼ

「黄色個体」のオニオコゼ。ほかの魚と比べても目立つ色をしている

体の一部が変色したオニオコゼ。それにしても怖い顔をしている

 のとじま水族館(すいぞくかん)で水槽(すいそう)を眺(なが)めていると、急(きゅう)に石が動(うご)いて驚(おどろ)いた。よく見ると、岩のようにごつごつとした体の魚だった。

 名前はオニオコゼ。怖(こわ)そうな顔をしているが、最大(さいだい)の特徴(とくちょう)は何といっても岩に擬態(ぎたい)することだ。他(ほか)の物(もの)に見た目を似(に)せて気付(きづ)かれにくくすることを擬態(ぎたい)という。オニオコゼの場合、黒色や灰色(はいいろ)の体で岩に擬態(ぎたい)し、獲物(えもの)を待(ま)ち伏(ぶ)せして近づいて来た個体(こたい)を大きな口で丸のみする。

 大きさは最大(さいだい)25センチ程度(ていど)で、館内(かんない)で飼育(しいく)している5匹(ひき)は10~15センチ。背(せ)びれには毒(どく)のあるとげを持(も)っている。擬態(ぎたい)とともに、このとげを使(つか)って天敵(てんてき)から身(み)を守(まも)っている。英名(えいめい)は「デビルスティンガー」というが、毒(どく)のあるとげが由来(ゆらい)だ。

 日本では関東(かんとう)や新潟以南(にいがたいなん)の海に生息(せいそく)し、東シナ海にも分布(ぶんぷ)している。擬態(ぎたい)しているため、岩陰(いわかげ)や砂(すな)の中に身(み)を隠(かく)していることが多い。

 館内(かんない)の5匹(ひき)のうち、2匹(ひき)はなぜか体が黄色やオレンジ色で見つけやすい。魚類飼育担当(ぎょるいしいくたんとう)の山口瑠音(やまぐちるね)さんによると、「黄色個体(おうしょくこたい)」といって、全身(ぜんしん)が変色(へんしょく)した突然変異(とつぜんへんい)の個体(こたい)で、とても珍(めずら)しいそうだ。

 黄色個体(おうしょくこたい)は目立つため外敵(がいてき)から狙(ねら)われやすく、成魚(せいぎょ)まで育(そだ)つのは珍(めずら)しい。そのため縁起(えんぎ)が良(よ)いとされる。ちなみに黄色個体(おうしょくこたい)は、ヒラメやイサキ、ダルマオコゼなど他(ほか)の魚でも確認(かくにん)されている。

 待(ま)ち伏(ぶ)せする習性(しゅうせい)があるので、水槽(すいそう)では餌(えさ)を目の前に落(お)として与(あた)えている。オニオコゼが餌(えさ)を食べる時に見せる素早(すばや)い動(うご)きに、みんなも驚(おどろ)くかもしれない。

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