穴(あな)の中から体を出すチンアナゴ=七尾市(ななおし)ののとじま水族館(すいぞくかん)

チンアナゴの名前の由来(ゆらい)である犬の「狆(ちん)」

この写真の中に顔だけ穴から出しているチンアナゴがいるので探してみてほしい

同じ方向を向いて口を開けているチンアナゴ。餌の動物プランクトンを食べているのかもしれない

大きい斑点は決まった場所にある

体に対して目が大きいチンアナゴ。目はよく見えるらしい

水槽内では別の生きものと一緒に飼育されている

 のとじま水族館(すいぞくかん)の「南の海の魚たちコーナー」で展示(てんじ)されている「隠(かく)れた人気者(にんきもの)」を紹介(しょうかい)しよう。砂底(すなぞこ)に掘(ほ)った穴(あな)から半身(はんしん)を出しているチンアナゴだ。魚類飼育担当(ぎょるいしいくたんとう)の田中緑乃(たなかりの)さんに特徴(とくちょう)を教えてもらった。

 体は細長く、成魚(せいぎょ)で約(やく)40センチ。小さな口があり、体の色は白い。全身(ぜんしん)の小さな斑点(はんてん)に加(くわ)え、えらや胸(むな)びれ、肛門(こうもん)の周囲(しゅうい)に五つの大きな黒い斑点(はんてん)がある。

 チンアナゴの「チン」は珍(めずら)しいという意味(いみ)ではない。顔が「狆(ちん)」という種類(しゅるい)の犬に似(に)ており、それが名前の由来(ゆらい)となっている。

 性格(せいかく)は臆病(おくびょう)だそうだ。普段(ふだん)は穴(あな)から10センチほどしか体を出さないし、外敵(がいてき)が来たり、びっくりしたりすると砂(すな)の中に全身(ぜんしん)を隠(かく)す。

 食事(しょくじ)の際(さい)は半身(はんしん)を出し、海流(かいりゅう)に逆らって顔を向(む)け、流(なが)れてきた動物(どうぶつ)プランクトンを食べる。野生では群(む)れで生活しているので、大量(たいりょう)のチンアナゴが一斉(いっせい)に同じ方向(ほうこう)に顔を向(む)けるなんてこともある。穴(あな)は体の表面(ひょうめん)から出す粘液(ねんえき)で固(かた)めており、簡単(かんたん)には崩(くず)れないそうだ。

 小笠原諸島(おがさわらしょとう)、種子島(たねがしま)、屋久島(やくしま)、琉球列島(りゅうきゅうれっとう)、海外ではインド洋(よう)から西太平洋(にしたいへいよう)の暖(あたた)かい地域(ちいき)に分布(ぶんぷ)し、潮(しお)の流(なが)れが速(はや)いサンゴ礁(しょう)の砂底(すなぞこ)などに生息(せいそく)している。

 のとじま水族館(すいぞくかん)では10匹(ぴき)ほど飼育(しいく)し、どの個体(こたい)も餌(えさ)を食べられるように、毎日数回に分けて餌(えさ)を与(あた)えている。食べやすいように水槽(すいそう)の中の水の流(なが)れを強くする工夫(くふう)もしている。

 穴(あな)から顔だけ出している個体(こたい)や砂(すな)の中にずっと潜(もぐ)っている個体(こたい)もいる。水族館(すいぞくかん)に行ったら隠(かく)れているチンアナゴを探(さが)してみよう。

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