重要文化財の蒔絵朱鞘大小拵(尾山神社所蔵)

前田利家が着用したとされる鯰尾形冑(尾山神社所蔵)

前田利家が身に着けたと伝わる鉄製胴(尾山神社所蔵)

木製の妙見菩薩立像(尾山神社所蔵)

松に山鶏の図(尾山神社所蔵)

 利家を祭神とする尾山神社が保管する宝物類は約160点で、甲冑、刀剣、弓矢、馬具、掛軸(かけじく)、屏風(びょうぶ)など、前田家や旧家臣、一般の人々から奉納された。その中から、えりすぐりの品を9月に公開する。

 重要文化財「蒔絵朱鞘(まきえしゅさや)大小拵(だいしょうこしらえ)」は、利家が桶狭間の合戦で腰に帯びていたものとされる。太刀と脇差(わきざし)の鞘に金の蒔絵で雲竜図が施されており、華麗な装飾から派手好きだった「かぶき者」の人柄が伝わる。

 甲冑では利家着用と伝わる大小の「鯰尾形冑(なまずおなりかぶと)」と「鉄製胴」が注目される。胴の正面には鉄砲の跡が4発、生々しく残る。高さ約4センチの「銅製勝軍(しょうぐん)地蔵像」と約2センチの「木製妙見菩薩(みょうけんぼさつ)立像」は出陣の際に兜(かぶと)の中に収めた守護仏で、戦場を駆け続けた利家の信仰の一端が知れる。

 利家関連ではこのほか、江戸時代17世紀に描かれた肖像画や、藩政期に藩士が家に飾って武運を祈った「前田利家公桶狭間凱旋(がいせん)図」が展示される。2代利長の書状もある。

 藩主自らの書画では、10代重教(しげみち)の筆による襖絵(ふすまえ)「松に山鶏(やまどり)の図」「松に白鷹(はくたか)の図」が存在感を放つ。幼少期から絵をたしなんだ重教の力量が存分に発揮された大作だ。

 能面の一つ「悪尉(あくじょう)」は、謡をうたい口から泡を吹いたとの言い伝えがあり「淡吹(あわぶき)の面」の別称で門外不出と伝わる。

 特別展は「御鎮座150年」に合わせて北國新聞社が制作する記念本の写真撮影がきっかけで企画された。加藤治樹宮司は「この先いつ公開できるかは分からない。この機会にぜひ地元の方々に見ていただきたい」と話した。

 尾山神社宝物特別展は9月9~12日、同神社金渓閣(きんけいかく)で開催される。入場料は大人千円で、高校生以下は無料。会場で150年の記念本を販売する。

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