園内で飼育(しいく)されている世界(せかい)最小(さいしょう)のワニの仲間(なかま)「コビトカイマン」のゴメス=能美市(のみし)のいしかわ動物園(どうぶつえん)

コビトカイマンの顔。硬い皮膚に覆われて、鋭い牙を持っていることも分かる

水中から顔だけを出すコビトカイマン

目と鼻だけを出して水中を移動するコビトカイマン

餌を食べるコビトカイマン

コビトカイマンが飼育・展示されている「南米の森」の入り口

コビトカイマンの展示室

 前回は世界最大級(せかいさいだいきゅう)のカブトムシを取(と)り上(あ)げたが、今回はいしかわ動物園(どうぶつえん)から世界最小(せかいさいしょう)のワニの仲間(なかま)を紹介(しょうかい)しよう。和名(わめい)はコビトカイマンというワニの仲間(なかま)だ。

 コビトと付(つ)くように、ワニ目の種(しゅ)で世界最小(せかいさいしょう)サイズ。成体(せいたい)で雄(おす)は1・4メートル、雌(めす)は1・2メートル程度(ていど)、体重(たいじゅう)は6~7キロほど。別名(べつめい)「キュビエムカシカイマン」と呼(よ)ばれ、ワニの仲間(なかま)では最(もっと)も原始的(げんしてき)な形態(けいたい)を残(のこ)す種類(しゅるい)の一つと言われている。

 野生では、南米北東部(なんべいほくとうぶ)の森林を流(なが)れる河川(かせん)や湖沼周辺(こしょうしゅうへん)の水に浸りやすい氾濫原(はんらんげん)などに生息(せいそく)している。性格(せいかく)は比較的(ひかくてき)温和(おんわ)で、水辺(みずべ)で淡水魚(たんすいぎょ)やカニなどの甲殻類(こうかくるい)、カエルなどの両生類(りょうせいるい)を捕食(ほしょく)するほか、陸上(りくじょう)ではネズミなどの小型(こがた)の哺乳類(ほにゅうるい)から蛇(へび)などの爬虫類(はちゅうるい)、それに昆虫(こんちゅう)も捕(つか)まえて食べる。幅広(はばひろ)く食(しょく)す肉食動物(にくしょくどうぶつ)なんだ。胴(どう)の皮膚(ひふ)は骨板(こつばん)という硬(かた)いよろいで覆(おお)われていて外敵(がいてき)から身(み)を守(まも)っている。

 水中で過(す)ごす時間が長く、動物園(どうぶつえん)でもワニ特有(とくゆう)の目と鼻(はな)のみを水面(すいめん)から出す姿(すがた)が見られる。この姿勢(しせい)は濁(にご)った水が多い生活環境(せいかつかんきょう)で、身(み)を隠(かく)しつつ周囲(しゅうい)を見渡(みわた)すのに役立(やくだ)つんだ。

 園内では「南米(なんべい)の森」にあるガラス張(ば)りの展示室(てんじしつ)でゴメスという雄(おす)1頭を飼育(しいく)している。担当技師(たんとうぎし)の小山将大(こやままさひろ)さんによると、自分より体の大きい人間に攻撃(こうげき)することはほとんどない。ワニの仲間(なかま)では穏(おだ)やかな方だが、万一かまれると大けがにつながるため、餌(えさ)は1メートルほどのマジックハンドを使(つか)って与(あた)えている。適度(てきど)な距離(きょり)を保(たも)つことで安全(あんぜん)を確保(かくほ)しているんだ。

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