津幡町が同町庄の住吉公園内に整備した屋内温水プール「アザレア」が29日、開業する。20年以上前から構想があったが、人口増加による学校建設などが相次ぎ、財政上の理由で実現していなかった。28日は五輪金メダリストで日本水連会長の鈴木大地さんらを迎えてオープニング式典が行われ、町民らが待ち望んだ健康増進施設の誕生を祝った。
温水プールは、町の総合計画の策定に向けた2006年度の町民アンケートで整備を望む声が最多だった施設。水中運動などに取り組みたい高齢者や、隣接する小矢部市やかほく市の水泳教室に子どもを通わせる保護者らも建設を熱望していたという。10年に初当選した矢田富郎町長も1期目から公約に掲げていた。14年度に基本計画が策定され、約10年後の完成となった。
施設前で行われた式典は朝霞太鼓の演奏で始まり、矢田町長が「町民の高い期待に応え、魅力ある施設となるよう努める」と式辞を述べた。馳浩知事、鈴木会長、焼田宏明県議、森山時夫町議会議長が祝辞を贈り、機器を寄贈した指定管理者エイム(金沢市)の山﨑充浩社長に感謝状、英語で町花のツツジを意味する「アザレア」と名付けた条南小5年の林望未さんに命名証などが贈られた。
アザレアは延べ床面積3373平方メートルの2階建て。1階には25メートルのメインプール(5レーン、水深1・2メートル)と多目的プール(3レーン、水深1メートル)、幼児用プール、スパプールなどが設けられた。フィットネス、トレーニングルーム、サウナもある。総工費は18億5857万円。
式典に続き、津幡南中出身の金崎結音さん(金沢高1年)が初泳ぎ、津幡中水泳部がメドレーリレーを披露し、鈴木会長が指導、激励した。
式典後、取材に応じた鈴木会長は「明るい雰囲気で、毎日通いたくなるような施設。赤ちゃんからお年寄りまでフル活用してほしい」と評価した。
式典に先立ち、鈴木会長は県庁で馳知事と懇談した。馳知事は金沢プールに世界大会を誘致するよう求めた。