珠洲市でのデジタル地域通貨構想を説明する杖村頭取(左から2人目)=27日午前10時35分、金沢市の石川県地場産業振興センター

  ●手数料抑え、利用しやすく

 北國銀行は12月、珠洲市内で利用できるデジタル通貨を発行する。キャッシュレス決済の普及に向けた取り組みで、対応店舗で支払いが可能となる。決済手数料を抑え、事業者が利用しやすいようにした。将来的には病院や学校、公共交通機関の支払いにも拡大する。

 27日、金沢市の石川県地場産業振興センターで会見した北國銀行の杖村修司頭取、泉谷満寿裕珠洲市長らが構想を説明した。

 同行が発行するデジタル地域通貨は「ステーブルコイン」と呼ばれ、1コイン1円で流通する。自治体と地域金融機関が協力してステーブルコインを発行する全国初の事例となる。

 デジタル地域通貨のサービスは「珠洲トチツーカ」と銘打ち、デジタル地域通貨アプリを8月から提供する。珠洲市が県内でキャッシュレス決済の普及率が高いことから同行が地域通貨の導入を呼び掛けた。

 アプリでは、まず珠洲市が発行する健康ポイントなどをキャッシュレスで利用できるようにする。その上で、12月にデジタル地域通貨を発行する。北國銀行か興能信用金庫の口座を持つ人は残高を地域通貨に変換してアプリにチャージし、市内店舗で利用できる。地域通貨は現金に戻すことも可能という。

 デジタル地域通貨の決済手数料は最低水準の0・5%に設定した。1~3年以内には公共機関での支払いにも対応していく方針で、会見で杖村頭取は「市民の利便性を高めるため、スマホ一つで全ての支払いが完結できるようにしていきたい」と話した。

 泉谷市長は「デジタル地域通貨を通して市民の利便性向上を図りたい」と話した。会見には県最高デジタル責任者の西垣淳子副知事、興能信金の田代克弘理事長らも出席した。

 同行は今後、県内市町でデジタル地域通貨の発行を目指しており、県内信金や地銀にも協力を呼び掛ける。

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