ダイワ通信が開発した置き去り防止システム=昨年10月、金沢市内

業務委託契約を結んだダイワ通信の岩本社長(左)とヤマト運輸の池田執行役員

 今年度から園児の送迎バスに安全装置が義務化されたことを受け、北陸の事業者が設置の働き掛けを強化している。ダイワ通信(金沢市)はヤマト運輸(東京)と提携し、自社製品の配送から取り付けまでを一貫して行うサービスを始めた。国は、気温が上昇し熱中症の危険が高まる6月末までの設置を呼び掛けており、安全装置を扱う代理店でも問い合わせや見積もりの依頼が増えている。

 安全装置は、昨年9月に静岡県の認定こども園の送迎バス内で女児が熱中症で死亡した事件を受け、保育園や幼稚園などの送迎バスに設置が義務付けられた。全国の約4万4千台が対象となる。

 ダイワ通信が開発した「フェイス・ロール・コール」は、人工知能(AI)の顔認証端末とバスのエンジンを連動させた。エンジンが停止すると警報音が鳴り、顔を登録した運転手らがバス後方の端末に顔をかざすと音が止まる仕組みだ。

 ダイワ通信は19日までに販路拡大を目指し、ヤマト運輸と業務委託契約を結んだ。ヤマト運輸が保育園などに配送し、グループ会社のヤマトオートワークスの整備士がバスへの取り付けを行う。設置の際にバスを工場に持ち込む必要がなくなり、園側の負担が減る。5千台の販売を目指す。

 19日、金沢市入江2丁目のダイワ通信本社で行われた業務委託契約の調印式には、岩本秀成社長やヤマト運輸の池田隆執行役員らが出席。岩本社長は「全国に安全安心を届けたい」と語った。

 石川県内の幼稚園・保育園でも、安全装置を設置する動きが見られる。

 既に導入した自治体もあり、羽咋市は昨年度、市内の保育所で、ITベンチャー「otta(オッタ)」(福井市)が開発した園児の登園・降園を見守るシステムの実証実験を行った。

 県内のある代理店では、4月に入り、バス内に設置する安全装置の問い合わせや見積もりの希望が急増したという。代理店の担当者は「これから需要が高まる中、製品が不足しないか心配だ」と話した。

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