今日の社説

2019/11/14 00:45

小松-バンコク便 香港に続く新規就航に期待

 石川、福井両県議会の小松空港国際化推進議連がタイ・バンコク市内のタイ国際航空を訪問し、小松-バンコク間の航路開設を要請した。昨年のタイ、香港訪問で航路の早期開設を求め、今年4月の小松-香港便開設につなげた実績があるだけに、2年続けての国際路線の新規就航に期待が高まっている。

 同行した本社記者によれば、タイ国際航空側の反応はすこぶるよかった。先月末、5年7カ月ぶりに再就航したバンコク-仙台便が搭乗率80%を超える好調を維持し、北陸への注目度が予想以上に高くなっていたという。

 タイ国際航空は、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の路線が格安航空会社(LCC)との競争激化で採算割れに追い込まれ、経営不振が続く。改善策としてASEAN域内の不採算路線から撤退し、中長距離の国際線に活路を見いだそうとしている。

 県議団との会合で、タイ国際航空の実質的な経営トップは、北陸全体のタイ人旅行者数やタイに進出している日本企業の数といった具体的な質問を投げ掛け、実務レベルの協議を要請してきた。仙台便の再就航は、タイ国際航空の新たな経営戦略の延長線上にあり、小松が次の有力な就航先として急浮上したとしても不思議はない。

 政府は訪日外国人客数を2020年に4千万人、30年には6千万人に増やす目標を掲げている。バンコク便が実現すれば、小松空港にとってソウル、上海、台北、香港に続く5番目の国際定期路線となり、国際化に弾みがつく。地方空港の国際化はもはや国策といって良く、千載一遇のチャンスが巡ってきている。

 仙台便の就航に際し、地元がどの程度の支援を行ったのか、調査しておきたい。県はあまり前のめりになりすぎぬよう適切な範囲で実現を後押ししてほしい。

 小松空港には今年4月、香港便が就航した。当初、搭乗率は80%を超えていたが、デモの激化により、伸び悩んだ。それでも夏ダイヤ(4~10月)の最終搭乗率(速報値)は77・1%となり、採算の目安といわれる70%超の水準を維持した。訪日需要は私たちが予想している以上に高いのだろう。

イラン核開発疑惑 徹底査察で実態究明を

 国際原子力機関(IAEA)の査察で、イランの新たな核開発疑惑が浮上している。査察結果をまとめたIAEAの報告書によると、イランの未申告の場所からウランの粒子が検知されたという。濃縮にまで至っていないとされるが、秘密裏の核開発活動を疑わせるものであり、IAEAの徹底的な査察で実態を究明しなければなるまい。

 イランは、核合意を一方的に離脱したトランプ米政権を厳しく批判し、米の制裁措置に対抗して、核合意の制限を段階的に破る「瀬戸際作戦」を続けている。未申告施設での核関連活動が事実なら、核合意違反の活動をひそかに行っていたことになり、国際的な糾弾は避けられない。

 ウランが検出された施設などは明らかにされていないが、イスラエルがかねて疑惑を指摘していた施設が査察対象となったようだ。イスラエルのネタニヤフ首相は昨年9月の国連演説で、イランの郊外に「核関連の機械や物質」を保管する秘密の倉庫があると、写真を示して訴えていた。

 イラン国営メディアは、ネタニヤフ氏の主張を「ばかばかしい」と完全否定していたが、IAEAの報告書により、否定するだけでは済まなくなった。

 報告書によれば、イランが事前に通告していた中部フォルドゥの地下施設でのウラン濃縮も確認されたという。核合意では、フォルドゥの施設でのウラン濃縮は15年間行わないことになっている。

 ウランの濃縮度は原発燃料並みの4・5%程度で、核兵器に使える高濃縮ウランは製造しないとイランは主張している。しかし、ウラン濃縮の再開はこれまでの合意事項の一部停止措置とは異なる変化であり、米国とイランの仲介役を務めてきたフランスのマクロン大統領は、核合意の枠組みからの離脱に等しい「根源的な変化だ」と強く非難している。

 核合意当事国の英仏独はこれまで、合意継続を求めてトランプ政権を批判してきたが、ウラン濃縮の再開と、未申告施設での核活動疑惑でイランは一転、厳しい立場に追い込まれよう。