今日の社説

2020/07/06 00:13

県の出生数最少 新プランの成果を着実に

 石川県内で昨年、生まれた赤ちゃん(出生数)が初めて8千人を割り込み、4年連続で過去最少を更新したことが厚生労働省の人口動態統計で分かった。前年より500人余り少なく、減少幅は年々拡大している。少子化を食い止めるのは至難の業だが、加速するペースはできる限り抑えたい。出生数の落ち込みは高齢化率を高め、担い手不足や経済縮小を招き、地域社会の活力が失われてしまう。

 県は今年度、5年間の行動計画となる子ども・子育て支援事業「いしかわエンゼルプラン」を見直してスタートさせた。新たに男性の育児参加促進を盛り込み、結婚から妊娠、出産、育児まで切れ目のない支援を柱とする内容となっている。少子化対策に切り札はなく、地道でも各プランを丁寧に取り組み、着実に成果を上げていくことが大切だ。その過程で課題を見つけ、対処していくことが産みやすく育てやすい環境を整えることにもなる。

 少子化の要因の一つは晩婚化、未婚化の進行にある。県内の平均初婚年齢は2018年で男性30・5歳、女性29・2歳。50歳時の未婚率は15年で男性20・6%、女性11・1%といずれも上昇傾向にある。県もこの点を重視し、新プランでは未婚男女の仲介役となる「縁結びist」を現行500人から750人に増やし、成婚目標を5年間で750組とした。これまで999組を結んだ実績を考えれば達成可能だろう。県が18年に実施した調査では未婚者の約6割が結婚を希望しており、出会いのきっかけをつくり、仲を取り持つ縁結び人の役割は大きい。

 石川県は過去最少の出生数に加え、女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率も1・46に下がり、5年ぶりに1・50台を切って北陸3県で最も低い水準になった。改善する上でも晩婚化、未婚化に歯止めをかけたいところだ。

 国全体でも出生数は過去最少の86万人台となり、出生率1・36は4年連続の低下だ。国難とも言うべき少子化に対し国は無論、各自治体も取り組みに本気度を示さねばならない状況にある。

次亜塩素酸水 効果発揮する条件周知を

 新型コロナウイルスの消毒液として有効性が議論されていた次亜塩素酸水について、効果があるとする最終報告が経済産業省から示された。ただし、効力を発揮するには濃度や量など一定の条件が必要であり、各関係機関は正しい使用法をあらためて周知する必要がある。アルコール消毒液と同じように使用している人も散見されるため混同しないよう理解を促したい。

 次亜塩素酸水は製法がいくつかあり、食塩水や塩酸を電気分解して生成する殺菌用は食品加工場などで用いられている。品薄が続くアルコール消毒液の代替品として急速に広まった。県内でも公共施設や事業所、飲食店など広範囲に普及し、学校や介護施設などへの寄贈も相次いだ。

 だが、経産省が5月下旬、拭き取りなどの消毒効果が未確認で継続調査が必要とする中間報告を公表し、文部科学省も噴霧器で散布しないよう求める通知を全国の教育委員会に通達した。このため現場では混乱も生じ、評価の検証が待たれていた。

 最終報告では有効な条件として拭き掃除なら80ppm以上の濃度で消毒したい物の表面をたっぷりとぬらすこと、流水でかけ流すなら35ppm以上の濃度で20秒以上が必要とした。テーブルやドアノブなどの物品消毒に有用という。

 気を付けたいのはアルコール消毒液の替わりとして次亜塩素酸水をポンプ式容器に入れ、手指にスプレーで少量吹きかけても同等の効果が期待できないことだ。手指の消毒効果に関して経産省は今回の検証対象から外し、評価していないが、手指適用の製品もあるため使う前に確かめたい。また、紫外線に弱く揮発性が高いため有効期間が短く、容器は遮光性のあるものとし、保管にも注意がいる。

 中には濃度や酸性度、使用期限の表記が十分でない製品もあり、経産省は製造業者らに表記を求め始めたが、確認できない場合は使用を控えるべきだろう。今回の検証では界面活性剤9種の効果も認められた。各種ある消毒液は思い込みを避け、用途や成分を理解した上で使用するよう徹底したい。