今日の社説

2020/12/02 00:29

GoTo商店街 イベントで地域に活気を

 新型コロナウイルスに対応した国の商店街支援事業「GoTo商店街」で、石川県内から6件、富山県内から5件の事業がこれまでに採択された。商店街が手づくりのイベントを実施し、地元の良さを見直してもらう狙いであり、プレミアム商品券も各地で発行されるなど、コロナ対策を講じながら客を呼び込む取り組みが広がっている。コロナ禍を乗り越え、収束後も見据えた振興策を展開してほしい。

 「Go To 商店街」に採択された金沢市の駅前別院通り商店街振興組合と森本商店街振興会は、連携して事業に取り組み、12月からのイルミネーションやスタンプラリーなど四つのイベントを企画した。金沢駅から森本駅まで電車で7分という立地をアピールして、両商店街に足を運んでもらう。

 同じく採択された高岡市の中田商盛会と中田スタンプ会は、地元商店で購入できる商品やサービスなどを紹介する冊子を作成して、地元商店の周知事業に乗りだす。

 輪島市河井町の本町商店街では、修復途中の輪島塗のキリコが初公開された。コロナ禍で今年の「能登のキリコ祭り」のキリコ巡行は中止が相次いだが、キリコの修復を通じて、商店街が、地域の伝統文化である祭りの良さや職人の技などを住民に伝える場になったといえる。

 消費者との距離の近さも強みに、住民や生産者との接点を持つ商店街が地域に活気を取り戻す旗振り役となり、交流の輪を大きく広げてほしい。話題性のあるイベントなどを通じて実際に足を運んでもらうことは大事である。「Go To」事業だけでなく、一過性にならない取り組みが求められる。

 特に増加が目立つ空き店舗の対策は待ったなしだ。空洞化対策の事例として、富山県の上市町西中町の商店街では、東京のIT関連の企業が先日、空き店舗を活用してサテライトオフィスを開所した。住民らがIT技術に触れられる交流スペースを備えており、商店街の魅力向上も期待される。新型コロナでのテレワークが今回の開所につながったとのことで、各地で時流に応える商店街の資源を掘り起こしたい。

北朝鮮人道支援 制裁はまだ緩められぬ

 北朝鮮への人道支援物資が速やかに届くよう、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会が申請手続きを迅速化する方針を決めた。新型コロナウイルス対策の国境封鎖や自然災害で、北朝鮮国民への人道支援の必要が高まっているとの判断であろう。

 北朝鮮の人権状況を調査している国連のキンタナ特別報告者は、国民生活が困窮しているとして、国連安保理の制裁緩和を呼び掛けている。が、北朝鮮は制裁を巧妙に逃れて核・ミサイル開発を進めていると見られ、むしろ制裁決議の履行徹底を各国に促す必要があるのではないか。

 国連の世界食糧計画(WFP)などが北朝鮮への人道支援を行う場合、安保理制裁委の審査を受けることになっている。これまでも申請手続きは改善されてきたが、さらに作業の合理化と審査期間の短縮を図るという。

 北朝鮮は今夏、甚大な豪雨、台風被害を受け、復旧のため軍隊だけでなく、首都平壌の朝鮮労働党員も動員されたほどという。今回の制裁委決定は、こうした事情も考慮してのことであろう。

 国民生活の困窮が伝えられる一方で、北朝鮮は海上で積み荷を移し替える「瀬取り」で、石油精製品などの密輸を続けている。北朝鮮への石油精製品供給量は、2017年の安保理決議で年間50万バレルに制限されている。しかし、日米など関係43カ国が安保理に提出した報告書によると、北朝鮮は今年1~5月だけで、上限を大幅に上回る160万バレル以上を密輸入したと見られている。

 このため43カ国は、安保理制裁委員会として公式に、北朝鮮への石油供給即時停止と瀬取りの監視強化を加盟国に通告するよう求めているが、中国とロシアの反対で実現していない。

 中ロは北朝鮮に石油精製品を合法的に輸出し、制裁委に供給量を報告している。が、両国は指定されたバレルではなく、トンで報告を続け、しかも換算率に同意しないため、供給量を正確に判断できないという。北朝鮮の制裁破りに事実上、加担する中ロの嫌がらせと言うほかない。