世界農業遺産認定に向けて意見を交わす林市長(右から2人目)らパネリスト=氷見市いきいき元気館

氷見らしさを未来へ 氷見・世界農業遺産へセミナー

2018/02/25 02:36

 国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産認定を県内で初めて目指す氷見市は24日、市民セミナー「氷見らしさを未来にいかす」を市いきいき元気館で開いた。行政関係者や市民ら約80人が農業遺産の理念や認定の意義、活用策に理解を深め、市全体で認定を目指す機運を高めた。

 

 総合地球環境学研究所(京都)の阿部健一教授が認定制度について説明し、何を残し、何を変えるのか、小学生が授業で考え、中学生がサミットを開くなど申請作業を地域ぐるみで行う大切さを示した。

 

 2011年に日本で最初に世界農業遺産に登録された石川県能登地域と、昨年4月に日本農業遺産に認定された新潟県中越地域の行政担当者が活動報告した。石川県の担当者は、年間1万人が訪れる農家民宿群が生まれ、新たな雇用、観光地化が進んだと紹介。「当たり前と思っていた暮らしが宝、資源だと気づき、住民がさまざまに取り組みだしたことが一番の効果」と述べた。

 

 パネル討論では、有元貴文東京海洋大名誉教授、阿部教授、林正之市長、松原勝久市観光協会長が意見を交わした。松原会長は「登録によって自慢の古里になり、若者のUターンにつながらないか」と期待した。林市長は要件構築のストーリー性について「能登と同じコンセプトではだめ。山からの恵みを受けた水が田園や魚を育てる氷見の特徴を生かす」と独自性を示した。認定への取り組みを通じて氷見の良さを再発見し、住民と一緒に議論し、進めていくと決意を述べた。