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北陸の経済ニュース 【9月4日03時09分更新】
理系に動き、文系鈍く 北陸の就職戦線、製造業は採用増
2011年春の北陸の就職戦線で、理系学生の採用に動きが出ている。リーマン不況か
ら復調してきた一部製造業で技術系の採用に踏み切る企業が増えたためで、石川の高卒の
製造業求人数は7月末で昨年の約3割増となった。大学では中国市場を狙う地元企業が中
国人留学生を求めるケースも目立つ。一方、文系学生に対する採用は減少しており、全体
では依然「氷河期」が続いている。「工業高校の生徒に対する求人は回復してきたが、普通校、商業系は少ない」。石川労 働局の担当者は、今月中旬から選考が始まる高卒の求人状況をこう説明する。 石川労働局によると、全体の高卒の求人数は7月末時点で前年同月比2・1%減の14 10人だった。富山県教委が7月、定時制を含む全県立高校に実施した求人調査では、半 数以上が「前年より減っている」と回答。北陸の高卒の求人状況は、「氷河期の再来」と 言われた昨年より厳しくなっている。 ただ、石川労働局が調べた製造業の求人数は前年同月比33・8%増の721人と増え た。担当者は「生産回復で技術系の人材を求める企業が多くなってきた」と指摘する。 金大は現時点の内定率が「7〜8割ぐらい」(就職支援室)で、理系はほぼ決まってい るという。富大では内定率が6割程度だが、製造業の求人件数は4月から前年を上回り続 けている状態だ。 実際、北陸の製造業では採用を増やす企業が出ている。 澁谷工業(金沢市)は今春、グループで39人を採用。09年春より14人減ったが、 来春は09年春の53人を上回る人員を確保する。担当者は「2013年6月期に連結売 上高1千億円を目指す『上げ潮戦略』の体制づくりを進める」と強調する。 サンエツ金属(高岡市)は、今春より14人増の30人を採用する方針。来年3月末に 完成を予定する新工場に対応するほか、営業本部の人員強化を図る。今春の採用人数が昨 春より18人減り、5人だった中村留精密工業(白山市)は、大卒で8人、高卒で5、6 人を採用する予定という。 「中国人留学生を採用したい」。金大では今年に入り、地元の中小規模の製造業者から 、こんな問い合わせが寄せられるようになった。北陸で中国に生産、販売拠点を設ける動 きが加速しているのが要因とみられる。 金大就職支援室の山本均室長は「ローカルレベルでも中国ビジネスが増えてきた。5年 後には中国人留学生が『超売り手市場』になっているかもしれない」と話す。 一方、文系の求人は動きが鈍い。 石川労働局の集計では、ホテルや飲食店などサービス関連の職業の高卒求人数が7月末 で前年同月比33・9%減の220人。金大でも文系は増加傾向がみられず、「営業、管 理部門の求人はほとんど出てこない」という。 金大は29日、未内定の4年生を対象に学内合同企業説明会を開く。この時期の4年生 向け説明会は初めて。 就職支援室は「就職難は不況だけでなく、学生の『えり好み』の側面も大きい。知名度 の高い会社に殺到する傾向が強いが、大企業より財務体質などが良い企業はある」とし、 今後も説明会などを開催する方針だ。 8月末の内定率が6割の金沢工大は「ネットでエントリーできなくても、募集している 企業はある。学生に個別で対応したい」(広報)としている。 最近は円高の進行によって製造業の警戒感が強まり、関係者からは「高卒の採用は影響 が出る可能性がある」との声も聞かれる。相次ぐ海外進出で国内産業の空洞化の懸念も広 がっており、「日本の採用枠はいずれ海外の人員に奪われる」との見方も出ている。 生徒、学生に「実りの秋」は訪れるのか。先行きの不透明感が増す中、「就活」は終盤 戦に突入する。
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