ホッとニュース

「NPBへ」バイト奮闘 ミリスタナイン、練習の合間縫い

2017/03/09 02:35

 オフシーズン中のルートインBCリーグ・石川ミリオンスターズの選手が、練習の合間を縫ってアルバイトに奮闘している。深夜の底冷えする倉庫内で食品の仕分けをしたり、店頭で接客に励むなど、NPB(日本野球機構)入りへひたすら闘志を燃やす。

 

 宮澤和希外野手(24)は、ビーイングホールディングス(金沢市)のグループ会社、アクティーの物流センター(白山市)で働く。午後10時から午前2時まで、野菜や飲料などをケースに詰め、コンテナで搬送する作業を黙々と進める。扱う荷物の数は1300個にも上るが、現場監督を務める林満さん(45)は宮澤外野手について、「作業スピードはピカイチ。きちんとあいさつができ、好感が持てる」と高く評価する。

 

 ミリスタ選手は11月~3月のオフの間、自主トレに取り組むが、球団からの収入がないため食費などをバイトで補っている。球団によると、選手の平均年齢は22歳。厳しい環境の中で毎年、約半数が引退などを理由にチームを去っていく。

 

 宮澤外野手がNPB入りにこだわるのは、長野県中野市でエノキ農家を営む父の信敬(のぶとし)さん(53)に恩返ししたい気持ちが強いからだ。一緒にキャッチボールをして遊んだのが野球を始めるきっかけだった。学童時代には120キロの直球を投げ、何度もランニングホームランを打ったが、中学で肘を故障してから納得のいくプレーができなくなり、これまで努力を続けてきた。

 

 独立リーグに所属するのは7年目となるが、今でも両親に精神面、金銭面で支えられているという。昨季は「不動の4番」を担い、打率3割1分6厘と健闘したが、本塁打は2本にとどまった。昨年10月のNPBドラフト会議でチームメートが指名される中、名前が呼ばれるのをじっと待ったが、願いは届かなかった。

 

 後ろめたい気持ちで帰省すると、信敬さんは「もう1年頑張れや」と背中を押してくれた。宮澤外野手は「オープン戦、初球を必ずバックスクリーンにたたき込む」と意気込む。

 

 マクドナルド金沢新神田店では、夕方から深夜まで森野晃司投手(24)が笑顔で客の注文や商品の受け渡しに応じる。身長180センチ、体重83キロの大柄な体が目を引き、ファンと偶然顔を合わせることも多い。「ここで働いとったんか。頑張っとるじ」と声を掛けられ、励みになっている。

 

 森野投手は「ここで培ったコミュニケーション力がチームをまとめる上で役立つ」と語り、「お世話になった家族や友人にテレビで自分の勇姿を見てもらうのが夢だ」と活躍を期す。