ホッとニュース 【1月18日01時54分更新】

「茶屋街」どう読む? 金沢の格式守る「ちゃやがい」

観光客でにぎわう通り=ひがし茶屋街
 「『ちゃやまち』じゃないんか?」。京都に住む友人がふと漏らした一言が気になった 。金沢市の観光名所である「茶屋街」の読み方についてだ。観光雑誌やパンフレットをあ らためて見ると、「ちゃやがい」の表記が目立つ。一般用語としては「茶屋町(ちゃやま ち)」と呼ぶような気もするし…。いったい、どっちが正しいんだろう。(竹森和生)

 くだんの友人が「茶屋街」の文字を知り合いに見せたところ、みんな「ちゃやまち」と 読んだそうだ。「ちゃやがい」という言葉自体が耳慣れない、と口をそろえたという。

 金沢市観光協会のホームページをのぞくと、「ちゃやがい」と読み仮名が振られている 。案内看板はどうか。東山界隈で確認すると、どれも表記は「ひがし茶屋街」。雪かき中 の住民に尋ねると、読み方はやはり「ちゃやがい」。「ちゃやまち」とは読まないようだ 。

 そもそも「茶屋街」という呼称は、いつからあるのか。調べていくと、1989(平成 元)年ごろにできた呼び名だと分かった。

 「観光地化される流れの中で付いた呼び名ですよ」。当時、金沢市観光開発室長を務め ていた吉田誠栄智(せいいち)さん(74)=同市塚崎町=はこう話す。

 昭和50年代後半、東山が観光地としてスポットを浴び始め、一帯をひっくるめて表す 言葉として「旧東郭(くるわ)」という表現が使われるようになった。

 が、「郭」と聞くと観光客は吉原のような遊郭を連想してしまう。高い格式を誇った芸 妓の町が、いわゆる「色町」と誤解されてしまうことに地元から反発が起き、代わりの呼 称を作ろうという運びになったという。

 この界隈(かいわい)の呼び名としては、1820(文政3)年に加賀藩公認の郭とし て「卯辰(浅野川)茶屋町」が生まれている。

 しかし、「茶屋町(ちゃやまち)」という町名は小松市や全国各地に現存する。そうし た町名と区別しながら、観光地としての区域を表したい。議論を重ねた結果、「茶屋街( ちゃやがい)」に落ち着いたのが平成元年のことだという。

 どうやら「茶屋街」は、金沢ならではの表記・読み方らしい。歴史的には「ちゃやまち 」で、観光地の通称は「ちゃやがい」。どちらでも、「まちがい」ではないようだ。


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