ホッとニュース 【11月1日02時37分更新】

82年、廃止に無念と寂しさ 北鉄石川線、鶴来から加賀一の宮

鶴来―加賀一の宮駅間を走る最終電車を見送る地元住民=31日午後10時5分、白山市白山町の北陸鉄道石川線加賀一の宮駅
 北陸鉄道石川線鶴来―加賀一の宮駅区間(2・1キロ)の運行最終日となった31日、 沿線住民が終着駅加賀一の宮駅(白山市白山町)に集い、旧金名線時代から82年間の歴 史を刻んだ鉄路との別れを惜しんだ。北鉄の区間廃止発表から1年。存続を願った住民は 無念さと寂しさをかみしめ、満員となった最終電車を見送った。

 午後9時半すぎ、加賀一の宮駅では地元住民らが続々と集まり、駅舎外やホームにあふ れた。白山町を挙げ「支え守る会」を結成した森辰生町会長(69)が会の解散を宣言。 「今は『さようなら』と言わず、82年間ありがとうと言いたい」と涙ながらに話し、将 来の復活に一(いち)縷(る)の望みをかけた。

 区間廃止セレモニーでは、通勤通学者代表の辻夕姫江さん(星稜高2年)と女性アテン ダント(臨時乗務員)が運転士に花束を贈った。定時から4分遅れの午後10時7分、最 終電車が動きだし、警笛を鳴らすと拍手が鳴り響いた。「ありがとう」「さようなら」の 声がわき起こり、ホームで手を振る住民の中には涙を流す女性の姿も見られた。

 駅舎を訪れた白山町の90代女性は「どこに行くにも電車に乗せてもらわんなんかった 。はがいもんやけど、どうしょうもならん」と唇をかんだ。かつて加賀一の宮駅と結ばれ ていた旧金名線白山下駅近くに住む北川良逸さん(61)=同市河原山町会長=は「金名 線が廃止された日と同じように寂しい」と語った。

 北鉄によると、同日は2両編成の電車が朝から満員となった。通常1電車当たり5人程 度にとどまっていたが最終電車には60倍の約300人が乗車した。加賀一の宮駅では「 おわかれ記念切符」を求める列ができ、記念スタンプの押印や鉄道模型の販売も行われた 。最終電車の出発後、加賀一の宮、中鶴来両駅が閉鎖され、踏切から線路への侵入を防ぐ 柵が設置された。

 石川県内での鉄道路線廃止は2005(平成17)年3月末ののと鉄道能登線(穴水― 蛸島間61キロ)廃止以来。北鉄が国に届けた区間廃止日は11月1日で、同日から代替 バスの運行が始まる。運行は平日と日曜が1日4往復、土曜と祝日が同4往復半となる。

◆鶴来―加賀一の宮駅区間 金沢と名古屋を結ぶ構想から建設された旧金名線の一部。1 927(昭和2)年に旧鳥越村河原山(現白山市河原山町)の白山下駅と鶴来駅間が開通 した。金名線は87年に廃止され、石川線として存続した同区間廃止で金名線のすべての 鉄路が消える。


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