台風の影響で冠水した道路。小松市は治水に関する条例を制定し対策を強化する=昨年8月、同市中海町

官民連携で治水対策 小松市 「雨水流出抑制施設」を義務化

2018/05/28 01:55

 小松市は、集中豪雨による市街地の浸水や河川の氾濫を防ぐため、川への雨水流入を抑える施設整備を推進する条例案を市議会6月定例会に提出する。駐車場などを開発する際の規模が基準を超える場合、敷地内で一定量の雨水をためられる施設整備を促す。行政や事業者、市民が連携して取り組む内容となっており、市を挙げて治水対策を進める。

 

 水路やポンプ場の処理能力を超える集中豪雨などの際、浸水被害が拡大し、雨水が一気に河川に流れ込んだりして氾濫の危険性が大きくなる。市は条例を制定し、市全域で「雨水流出抑制施設」の整備を進めることで被害拡大を抑えることを期待している。可決されれば来年1月の施行を予定する。

 

 従来の都市計画法に基づく開発事業では、雨水流出抑制施設の設置は努力義務となっており、民間宅地開発や商業施設の建設を対象としていた。

 

 小松市が制定を目指す条例案では、雨水流出抑制施設の設置を義務化することを盛り込む。対象となる開発事業については、駐車場や道路、鉄道、公共施設、民家の増改築を追加する。

 

 開発事業の規模に関しては、敷地面積で市街化区域内1500平方メートル以上、市街化区域外3千平方メートル以上を基準とし、都市計画法に基づく従来の規模に比べ、対象を拡大させる。

 

 具体的には、敷地面積1500平方メートルのコンビニエンスストアを建設する場合、駐車場の地面を周囲より平均15センチ低くすることで、駐車場自体に一定量の雨水をためることができるようにする。市によると、北陸新幹線敦賀延伸に伴う工事では、高架下の一部を調整池として整備する計画になっている。

 

 開発事業者は市と雨水排水計画について事前協議する義務があり、市は必要に応じて技術的な助言、指導を行う。罰則は設けないが、勧告に従わない場合は、事業者名を公表する。担当者は「総合的な治水対策を推進し、安全で安心なまちづくりを目指したい」と話した。