修復が完了した林西寺の白山曼荼羅=白山市白峰の同寺

白山曼荼羅、絵柄鮮明 白峰・林西寺 市文化財修復、5月17日から特別公開 

2018/04/19 01:51

 白山市白峰の真宗大谷派林西寺(りんさいじ)が所有する白山市文化財の絵画「紙本著色(しほんちゃくしょく)林西寺本(ほん)白山曼荼羅(はくさんまんだら)」が18日、修復を終えて同寺に納品された。これまで確認された白山の曼荼羅10点にはない、白峰方面からの登山ルートが描かれた貴重な資料で、修復によって絵柄が鮮明になり、川の水しぶきなど絵師が緻密な表現に努めていたことが明らかになった。同寺で5月17~26日に特別公開される。

 

 林西寺の白山曼荼羅は縦176・9センチ、横108・2センチで、作者は不明。白峰の旧風嵐(かざらし)村から手取川沿いに市ノ瀬へ向かう参詣道が描かれ、越前禅定道に入って最高峰の御前峰(ごぜんがみね)、大汝(おおなんじが)峰(みね)、別山(べっさん)に至る。近世の白山の信仰文化を示す貴重な資料として昨年3月に市の文化財指定を受けたが、全体に汚れが目立ち、1枚が真ん中から二つに破れるなど傷みも激しかった。

 

 修復は県文化財保存修復協会が4月から担った。表面の汚れを除去し、多数のしわは補強を加えて伸ばした。左右に分かれていた2枚を一幅につなげ、登山道や川などのつなぎ目のずれも補正した。従来は紙だった表装は絹地に一新した。

 

 汚れが落ちたことで絵全体が鮮やかになり、これまでぼんやりとしていた川の流れには幾筋も筆が走っていることが分かった。くすんでいた朱色がはっきりと現れ、登山道のほか、山頂付近の日光、地獄の表現にも力強さが備わった。

 

 白山市教委によると、林西寺の白山曼荼羅は江戸中期以前の制作と推定される。上部左側に描かれている大汝峰と御前峰の間は地獄の空間とされ、閻魔(えんま)大王の前で火あぶりにされる女人や、池の中で苦行する人が登場する。右側は極楽の空間とされ、白山三尊像、白山を開いた泰澄(たいちょう)大師が翠ケ池の前で加持祈祷(かじきとう)する様子などが見られる。

 

 林西寺は5月に本堂で特別公開した後、初夏と秋に定期的に公開する。加藤彰(あき)教(のり)住職(48)は「想像以上の仕上がりで、新しい絵が届いたよう。絵解きができるよう勉強したい」と話した。