ナノ生命科学の研究に理解を深める参加者=北國新聞20階ホール

ナノ研究の最前線紹介 日本海イノベーション会議 金大の2教授講演

2018/02/13 02:05

 日本海イノベーション会議の金大プログラム「見えなかった生命現象を観る」(金大、北國新聞社主催)は12日、金沢市の北國新聞20階ホールで開かれた。金大の教授2氏が、原子や分子の動きを観察できる顕微鏡の開発など、細胞をナノレベル(ナノは10億分の1)で研究する最前線を紹介した。

 

 ナノ生命科学研究所長の福間剛士教授は、原子や分子の動きを見ることができる原子間力顕微鏡の性能を改善し、真空中でしか見ることのできなかった原子や分子を、世界で初めて液体中で観察した研究を紹介した。「この顕微鏡で生体分子の中の細かい構造まで見ることができるようになった」と話した。

 

 福間教授は昨年に新設された同研究所で、細胞の表面や内部の現象を原子、分子レベルで見ることや、「ナノ内視鏡」を開発するなどの研究を進めていることも示し、「がん発生の仕組みが分子やナノレベルで理解できれば、人の健康増進につながるのではないか」と述べた。

 

 同研究所主任研究者で、金大がん進展制御研究所の松本邦夫教授は、細胞増殖因子や受容体と呼ばれるタンパク質によって細胞が増えることや、このタンパク質が遺伝子変異によって正常に機能しなくなるとがん細胞の異常な増殖につながることを解説した。

 

 松本教授はこのほか、20種類のアミノ酸が数珠つなぎになってタンパク質を構成していることや、DNAの遺伝情報の仕組みなどを分かりやすく説明した。