リードレスペースメーカーの使用法や効果を説明する古荘准教授(左)と津田助教=金大附属病院

電線なしの新型ペースメーカー導入 金大附属、金沢医科大病院

2018/02/10 02:05

 金大附属病院と金沢医科大病院は、不整脈の患者向けのペースメーカー治療で、電線(リード)がない新型機器「リードレスペースメーカー」を導入した。従来型は血管に電線を通すスペースのない患者は使えないが、新型はこうした患者でも利用できる。これまで患者の2割に発生していた細菌感染や電線のトラブルも予防でき、より安全な治療につながる。

 

 不整脈は心臓の拍動が乱れることで、患者が失神したり、血管を詰まらせる血栓ができたりする。ペースメーカーは心臓の異常を検知した際、電極から心筋に電気刺激を与えて心臓のリズムを整える。

 

 従来型のサイズは縦横が各5センチ前後あり、電池入りの本体を左の鎖骨付近の皮膚から体内に入れて使用する。心臓内に設置した電極で電気刺激を発生させるため、電線を静脈内にはわせておく必要があった。すでに静脈を使った治療を受けた一部の患者は、血管内にスペースがなく利用できなかった。

 

 一方、新型は電池の小型化によって直径7ミリ、長さ26ミリほどのカプセル形となる。電池や電極などを内蔵しており、本体を直接心臓に取り付けるため、静脈内の電線が不要となる。取り付け方法は太ももの大静脈から細い管「カテーテル」を入れ、血管を伝って心臓に送る。本体を心臓に設置した後、カテーテルを抜けばよい。

 

 新型は傷口が小さくて目立たないメリットもある。従来型は鎖骨付近に5センチほどの傷跡が残るのに対し、新型は太ももに数ミリだけだ。傷跡から細菌が感染した場合、ペースメーカーを取り外さざるを得ないケースもあったが、新型はほとんど心配ない。

 

 ただ、希望者全員が新型を使えるわけではない。心室のみに電気刺激を与えるため、心房にもペースメーカーが必要な患者は利用できない。金大附属病院では年間約70件あるペースメーカーの取り付け件数のうち、2~3割が新型の適応になると見込んでいる。