石川のニュース 【3月8日02時48分更新】

福島で河川の放射能調査継続 長尾金大教授、漁港再開の一助に

阿武隈川の水を採取する長尾教授=福島県伊達市
 金大の長尾誠也教授(環境放射化学)は7日、福島県入りし、伊達市の阿武隈(あぶく ま)川など3カ所の河川で放射能汚染調査を行った。土壌に広がった放射性物質が陸から 川、海へと流れる実態を探る調査は今回で5度目。いまだ出漁できない地元漁師の厳しい 現状を目にしながらの調査が続く。「安心して漁に出てもらうには、科学的な安全評価が 必ず必要になる」。長尾教授は研究者の立場から復興支援に駆け回っている。

 長尾教授が現地調査を始めたのは昨年5月から。学生を伴って車を走らせ、東京電力福 島第1原発事故で計画的避難区域に指定された福島県飯舘村を上流域に持つ新田川(南相 馬市)をはじめ、阿武隈川(白河市、伊達市)と宇多川(相馬市)など5河川6地点の水 を採取してきた。

 新田川では5月に採取した河川水から1リットル当たり4・17ベクレルの放射性セシ ウムを検出。水道水の暫定基準値より低い値だが、原発事故以前に調査された茨城県の久 慈川を比較対象とすると、最大で千倍程度高い濃度だった。その後7、9、12月にも出 向き放射性セシウム濃度が減少していることが確認できた。4月にも現地入りして雪解け 後の濃度も調べる予定だ。

 ただ、地元の漁港復興の願いとは裏腹に、調査では厳しい現実も見つかった。長尾教授 と田中潔東大准教授の共同研究で、河川や原発から流れた放射性セシウムが岸から近い所 を流れる沿岸流に乗って、一部の沿岸部の海底に沈殿していることが分かった。

 長尾教授は「調査地点によって濃度は異なり、もう少し詳しく調べる必要がある。河川 での研究は進んでおらず、やれる人間がやらないと」と話し、今後も根気よく調査にあた る考えだ。


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