石川のニュース 【6月1日03時17分更新】

旧松雲堂、多目的施設に 小松の九谷焼窯元を改修

町家の外観を残しながら多目的施設に改修される旧松雲堂=小松市龍助町
 明治期にヨーロッパで流行したジャパンクタニの窯元だった小松市龍助町の旧松雲堂の 建物が年内に、多目的施設に生まれ変わる。建物を所有する同市は、伝統的な町家の外観 を生かして改修し、観光客や市民らにギャラリーや休憩所などとして開放する。市は九谷 焼産業の歴史や情緒ある景観を発信して地域活性化を図る。

 旧松雲堂は昭和初期に建設された木造2階建ての建物で延べ床面積は約300平方メー トル。改修では玄関付近に町家の特徴の一つである吹き抜けを新たに設け、和室の空間を 広く見せて展示会や演奏会などで使いやすくする。ろくろが据え付けられた作業場、昭和 初期に設けられた「色絵窯」なども公開する。

 建物には延焼防止用の黒漆喰(しっくい)の袖壁や風雨をしのぐ板張りの「下がり」な ど小松の伝統的な町家の特徴が残っており、改修では現在の建材を極力再利用して、新た な部材を使う割合を減らす。

 旧松雲堂は経営悪化により2003(平成15)年に競売に掛けられ、彩釉(さいゆう )磁器人間国宝の三代徳田八十吉氏が購入し、市に寄付した。03年以降は使われていな いため、内部の清掃を含め改修が必要という。

 市は旧松雲堂をさまざまな用途に使うことで人が集まる施設にしたい考えで、「観光客 や市民のニーズに対応できるように改修し、にぎわい創出に活用したい」(文化創造課) としている。


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